無自覚に繰り返す「男性差別」の実態★当然のように女性を優遇することで生まれる男性軽視の風潮

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今から20年程前の2005年頃、痴漢被害で悩む女性のために設置され始めた「女性専用車両」に対して、高校生ながら疑問をもった。

「女性専用車両があるなら、男性専用車両もなきゃ理不尽じゃないか」

1人の男子高校生の真剣な意見に対して、周囲の男子高生から小馬鹿にされたように言われる。

「男性生用車両なんて、気持ち悪い」

インターネットすら十分に普及しておらず、1人1台ガラケーを持つのが一般的になり始めた時代。

まだまだ本当の意味での男女平等意識が薄かった時代、男性差別などとの発想をするものなどいなかったのだ。

2023年11月、『11月19日の国際男性デーを前に、NPO法人「日本弱者男性センター」は18日、東京さくらトラム(都電荒川線)を借り切って、「男性専用車両」を運行させた。』とのこと。

痴漢冤罪に神経質になり落ち着いて電車に乗ることすらままならない男性を守るため、遂に男性専用車両が試験運用されたそうだ。

感情的な問題の他に実用的な問題も絡むため賛否両論はあれど、「男性専用車両」という試みに違和感を感じる人はあまりいないだろう。

かつて女性は差別されているとして、男性同等の権利を求めて訴え続けたフェミニスト活動家たち。

女性の権利が認められるに従い、理不尽にも見える女性優遇に対して疑問を持たれ始めた。

どちらかを優遇すれば、どちらかを差別していることにもなる一筋縄ではない社会問題を前に、ようやっと人々は男女平等とは何なのかを真剣に考え始めたのだ。



男女平等と女性優遇の並存でもたらされる男性差別


女性が社会の第一線で活躍する場面が多くなった昨今、男性よりも稼いでいたり、女性でも管理職に出世することが一般的になってきました。

1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代で、2023年現在12歳~28歳前後のZ世代と呼ばれる若者のの間では、本当の意味で男女がフラットになっていると見受けられます。

もちろん生物学的に鮮明な男女の違いはあるものの、「女性だから○○」「男性だから△△」といった、無意識な男女差別はほとんど見られない印象です。

1965年から1969年に生まれ、2023年時点で53~58歳前後のバブル世代よりも上の世代には、無意識の間に刷り込まれた男女差別意識が色濃く残っていると見受けられます。

かつて社会の中で女性が男性と同じ土俵で活躍するのが簡単ではなかった時代、若い女性社員は職場のアイドルのようもてはやされ、結婚すると寿退社する女性社員が多かったのです。

女性は簡単な会社の中核業業務よりも簡単な雑務をこなし、周囲のおじさんたちのご機嫌取りに奔走し、会社の中では「職場の花」として中年男性社員からチヤホヤされていました。

そんな中で染みついた女性には優しく・アイドルのようにチヤホヤ接する癖が抜けないオジサン社員は健在です。

男性と同じ土俵で責任のある仕事を任され、男性と同じように出世して管理職となる道が女性に切り拓かれた現在、女性に対してチヤホヤアイドルのように接する必要があるのでしょうか。

同じ仕事をしていて給料も同じなのに、なぜ若い女性社員はオジサンからチヤホヤされて優しくされる一方、若い男性社員はきつく当たられる場面をよく目にします。

まさに女性活躍と女性優遇が併存した異様な状態は、見方を変えれば男性だけ割を食っている男性差別とも捉えられるでしょう。

時代の変化が激しい中、古い考え方に洗脳されながら今の時代を生きている中年男性によって、無意識に繰り返される男性差別は、理不尽極まりないものです。



ホスト狂いは被害者だけど、キャバクラや風俗通いは男の下心


ホストにハマって多額の売掛をつくり、風俗などで稼ぐことを強要する悪質なホストが問題となっています。

ホストクラブで手持ちの資金以上の出費をするうえで、担当ホストと客との間で交わされる借金である売掛制度が問題となっているのです。

一般的な常識として支払い能力の範囲内の借金を抱えることは、個人の自由ではあるものの、あらかじめ風俗店などへの斡旋を目論見、支払に能力を超える売掛をさせることは悪質でしょう。

しかしホストに限らず、所謂キャバクラや風俗などの夜の店にハマって支払い能力以上の借金をしてしまう人は、いつの時代もいました。

水商売に色恋は付きものですので、男性が夜の店でキャストの女に入れ込み、身を亡ぼす程の大金を出費してしまうとなど、歓楽街では珍しいことではありませせん。

そんな支払い能力を超えた大金を女に貢いだ男を、愚か者で自業自得だと自己責任論出片づけられてきたはずです。

それにもかかわらず、大金を貢いだのが女性の場合では、政府が介入して公的な制度を創設すべきだとの動きがあること自体、明らかに男女平等意識が欠落しています。

なぜ男性と同じように自己責任論ではダメなのでしょうか。

感情論が先行し、水商売にハマった男性と女性への仕打ちが、明らかに不平等になっていることに気づけないのであれば、真の男女平等は成し遂げられないでしょう。



女性議員や女性管理署の数値目標などのアファーマティブアクションに潜む罠


2020年、「政府は、ことしまでに社会の指導的地位に占める女性の割合を30%程度にするとした目標を先送りし、2030年代に指導的地位にある男女の比率が同水準になることを目指すとする新たな目標を掲げる方針を固めた」ようです。

これまで差別されてきたり、冷遇されてきた人々に対して、意図的な優遇策を施すことを「積極的差別是正措置」(アファーマティブアクション)と称します。

古くはアメリカで歴史的に差別されてきた黒人や中南米系の国民を優遇する制度として採用されました。

これまで差別や冷遇されてきた集団が、社会で地位を確立するには、ある程度意図的な優遇策が必要であるとの考えがあったのでしょう。

しかしこのような特定の母集団に下駄を履かせて優遇する施策は、そうでない母集団に対しての逆差別であるとの批判が常々なされてきました。

企業の採用で女性を積極的に採用しようとするあまり、より能力の高い男性の採用の機会を奪ってしまいます。黒人男性を優遇して下駄を履かせたあまり、有能な白人男性が割を食ってしまうこともあるでしょう。

入学試験や採用、出世や昇進にあたっての人選は、個人の能力や適材適所等の各種評価軸を適正に評価され選ばれるべきものです。

選ばれたものが男性か女性か、白人か黒人かは結果論に過ぎません。

男か女か、白人か黒人かで生物学的人種的に、平均的に違いがあることは否めません。しかし個人個人で見た時にそれらの違いはグラデーション上の違いであり、人種や性別にとらわれず評価されるべき人材や有能な人材は間違いなく存在するでしょう。

最も大切なことは、ある集団に所属する性別や人種の割合だけから判断して、どちらかの性別や人種が差別されていると考えるのではなく、性別や人種にとらわれずフェアな視点で評価することです。

結果としてどちらかの性別や人種に偏ってしまうことは致し方なく、過剰に意図的な処置を施すことは、さらなる軋轢を生むことになってしまいます。



女性の潜在能力


先入観を排除して考えても、女性は男性にはない視点や細かな気づきを持っている人が多いです。

感情的だったり、不測事態への冷静な対処だったり、ロジカルな思考能力に関して、男性目線で扱いにくさを感じることも多いでしょう。

しかしそれらも個別に評価したときには、「女性だから…」「男性だから…」という一般論が必ずしも当てはまるものではありません。

男性でも感情的だったり、女性でも冷静でロジカルな思考をする人は確実に存在します。

男と女が絡むと、恋心や下心・嫉妬心が絡み合うこともあり一筋縄ではいかないことも多いでしょう。

それでも性別や人種の先入観を排除して、個々人の能力や適性を査定できるようになることが、本当の意味で公平な世の中になるのです。





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