2019年07月04日、米中によるハイテク分野の主導権争いが激化の一途を辿っています。特に次世代通信規格「5G」を巡る攻防は、単なる企業の競争を越え、国家の威信をかけた戦いへと発展しました。米国から厳しい制裁を受けている中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)ですが、その勢いは衰えるどころか、ますます熱を帯びている状況です。
驚くべきは、逆風の中にあっても中国国内の5G市場が活況を呈している点でしょう。ファーウェイは通信の拠点となる「基地局」の製造において、世界トップクラスの技術力と圧倒的なコスト競争力を保持しています。こうした強固なインフラ供給能力を武器に、彼らは巨大な自国市場を足がかりとして、さらなる飛躍を虎視眈々と狙っているのです。
5G市場を席巻する中国の圧倒的戦略
「5G」とは、現在主流の4Gに比べて通信速度が劇的に向上し、遅延がほとんどなくなる「第5世代移動通信システム」を指します。この技術が普及すれば、自動運転や遠隔医療といった革新的なサービスが当たり前のものとなるでしょう。中国はこの5Gという社会の背骨となるインフラを掌握することで、デジタル経済の覇権を握ろうとしています。
SNS上では、「米国が排除しようとしても、これほど便利な技術を使わない手はない」といった現実的な意見や、「新興国でのファーウェイの浸透力は凄まじい」という驚きの声が広がっています。実際に中国勢は、価格に敏感なアジアやアフリカの市場において、手厚いサポートと低価格を武器に、欧米企業を圧倒するシェアを築きつつあるのが現状です。
筆者の視点から見れば、技術の囲い込みは一時的な足止めにはなっても、市場のニーズを止めることは困難だと感じます。中国が掲げる「デジタル・シルクロード」構想は、着実に現実のものとなりつつあります。自由な競争が制限される中で、いかにして優れた技術を世界に公平に届けるかという難問に、私たちは直面していると言えるでしょう。
この激動の潮流の中で、日本企業も決して傍観者でいることは許されません。5Gの社会実装が先行して進む中国市場は、いわば未来の実験場のような存在です。リスクを慎重に見極めつつも、現地での最新事例や技術動向に積極的に触れ、接点を持つことが、日本が次世代ビジネスで生き残るための不可欠な戦略となるに違いありません。