【2019年6月最新】景気減速の兆しか?内閣府が8地域の景況判断を一斉引き下げ、中国経済の影響が日本列島を直撃

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2019年05月31日、内閣府より発表された5月の「地域経済動向」において、日本経済の先行きを占う重要な指標が示されました。なんと、全国を12に分けた地域区分のうち、南関東や近畿を含む過半数の8地域において、景気の現状を示す「景況判断」が下方修正されたのです。これは決して楽観視できるニュースではありません。令和の時代が始まったばかりの日本列島に、海外経済の変調という冷たい風が吹き込み始めていることを示唆していると言えるでしょう。

今回の発表で特に注目すべき点は、下方修正の主な要因が「中国経済の減速」にあるということです。ご存知の通り、中国は日本にとって最大の貿易相手国の一つです。その中国での需要が落ち込むことで、日本からの輸出が減少し、結果として国内の工場などの生産活動が落ち込むという悪循環が生まれています。特に製造業の比重が高い地域や、輸出関連産業が集積する地域にとっては、ボディブローのように影響が広がりつつあるのが現状です。

異例の「8地域一斉下げ」が意味するもの

今回のように、一度に8つもの地域で景況判断が引き下げられるというのは、極めて珍しい事態です。過去を振り返ると、消費税率が5%から8%へと引き上げられた直後の、2014年05月以来のこととなります。当時は増税による駆け込み需要の反動減という明確な国内要因がありましたが、今回は海外要因が主導している点で状況が異なります。東北、北関東、甲信越、北陸、中国、四国に加え、経済規模の大きい南関東や近畿までが対象となったことは、事態の深刻さを物語っているかもしれません。

ここで少し専門用語の解説を挟みましょう。「景況判断」とは、政府や日銀などが、様々な経済データや企業へのヒアリングを基に、「景気が良くなっているか、悪くなっているか」を総合的に評価したものです。今回は東北、中国、四国の3地域で「弱さがみられる」という表現が使われました。しかし、不幸中の幸いと言うべきか、全12地域すべてにおいて「回復」という基調判断の文言自体は残されています。つまり、現時点では「回復の足取りが重くなった」という段階であり、完全に「不況」に突入したと断定されたわけではありません。

インバウンド需要が支える北海道と沖縄の底力

暗いニュースばかりではありません。北海道は全国で唯一、判断が上方修正されました。「緩やかな回復基調が続いている」から「緩やかに回復している」へと表現が強まっています。また、沖縄も「着実に回復している」という高い評価を維持しました。この2地域を支えているのは、訪日外国人客(インバウンド)による観光需要です。海外からの旅行者がホテルに宿泊し、食事や買い物にお金を使ってくれることが、地域の経済を力強く下支えしています。

この発表を受け、SNS上では不安の声が多く上がっています。「製造業勤務だけど、確かに注文が減ってきている肌感覚がある」「ボーナス時期の前にこういうニュースは聞きたくなかった」「消費税が10%になる前に景気が冷え込んだらどうなるんだ」といった切実な意見が散見されました。一方で、「観光地だけが元気でも、日本全体の底上げにはならないのではないか」という冷静な分析も見られ、多くの人々がこの経済動向に敏感に反応している様子がうかがえます。

【編集後記】外需頼みの危うさと今後の展望

今回の結果を受けて、私自身は日本経済の「構造的な脆さ」を改めて痛感しています。製造業が輸出、つまり外需に大きく依存している以上、米中貿易摩擦などの国際情勢に国内景気が左右されるのは避けられません。2019年06月01日現在、世界経済の不透明感は増すばかりです。輸出産業が苦戦する中で、好調な観光業がどこまで日本経済全体をカバーできるかが、当面の焦点となるでしょう。

また、唯一の希望とも言えるインバウンド需要も、国際情勢の変化や為替の影響を受けやすい「水物」であることに変わりはありません。外需に頼りすぎない、内需主導の力強い経済構造をどう作っていくか。今回の地域経済動向は、私たちにその課題を重く突きつけているように感じます。政府による今後の経済対策と、世界情勢の行方を、引き続き注視していく必要があるでしょう。

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