皆さんは、自分が生まれ育った故郷の言葉をどれくらい大切にしているでしょうか。2019年07月05日、東京女子大学のゼミが、方言の使用状況を通じて出身地への「愛」を測定できるユニークなインターネットサービスの提供を開始しました。この試みは、ネット上で大きな話題を呼んでいます。
今回公開されたのは「方言チャート番外編 県人度判定」というサイトです。制作を手掛けたのは、東京女子大学現代教養学部の篠崎晃一教授が率いる日本語学のゼミ生たちです。日本語学とは、私たちが普段使っている日本語の構造や歴史、地域ごとの違いなどを科学的に分析する学問を指します。
1000万人以上が熱狂した人気シリーズ待望の「番外編」
実はこのプロジェクトには前身があり、2013年から公開されている「出身地鑑定 方言チャート」は、累積利用者数が1000万人を超える驚異的なヒットを記録しました。今回の新作は、その膨大な回答データを研究に活用することで生まれた、まさに集大成とも言えるコンテンツなのです。
利用方法は非常にシンプルで、パソコンやスマートフォンからアクセス可能です。まず自分の出身都道府県と年代を選択し、提示される方言の質問に対して4つの選択肢から回答していきます。すべての設問に答え終えると、あなたの地元への馴染み深さが「県人度」として0〜100%の数値で算出される仕組みです。
「とごる」「だれやみ」?地域密着の絶妙な質問内容
質問の内容は、その土地の人にしか伝わらない絶妙なラインを突いています。例えば愛知県版では、学校の休み時間を「ほうか」と呼ぶか、あるいは紅茶の底に砂糖が溜まることを「とごる」と言うかといった、日常に根差した表現が問われる構成になっています。地域独自の文化が色濃く反映されているでしょう。
また、鹿児島県版では黒板消しを指す「ラーフル」や、晩酌を意味する「だれやみ」という言葉を知っているかどうかが判定の鍵となります。これらの質問に対し、「今でも使う」から「聞いたこともない」までの段階的な選択肢から回答することで、より精密なデータが蓄積されていくのです。
SNSでは「当たりすぎて怖い」と驚きの声が続出!
このサービスが公開されるやいなや、Twitter(現X)などのSNSでは瞬く間に拡散されました。「地元を離れて久しいけれど、100%が出て感動した」「標準語だと思っていた言葉が実は方言だったと知って衝撃を受けている」といった、驚きと喜びの入り混じった投稿が相次いでいます。
中には「家族全員で判定を競い合っている」というユーザーも見受けられ、世代を超えたコミュニケーションのツールとしても機能しているようです。単なる判定ゲームに留まらず、自分のアイデンティティを再確認するきっかけとして、多くの人々の心を掴んでいるのは間違いありません。
編集部が考える「言葉と心の繋がり」の重要性
私は、こうしたデジタル技術と学問の融合が、失われつつある地域文化を守る大きな力になると確信しています。方言は単なる言葉のバリエーションではなく、その土地の歴史や人々の温もりが詰まった宝物です。それを「県人度」という親しみやすい指標にしたアイデアは秀逸だと言えるでしょう。
篠崎教授が「楽しみながら方言を学び、ふるさとに思いをはせてほしい」と語る通り、このサイトは故郷を離れて暮らす人々にとって、心の帰着点になるはずです。研究データとして役立つだけでなく、人々の郷土愛を再燃させる素晴らしい取り組みだと、強く支持したいと思います。