2018年秋に西日本を直撃した台風21号は、関西国際空港(関空)に甚大な被害をもたらし、その対策が急務とされてきました。この教訓を踏まえ、関西エアポートは2019年5月31日、関空の**「越波防止策」として、大規模な護岸かさ上げ計画を含む一連の防災強化策を発表しました。これは、将来的に再び同規模の巨大台風が襲来しても、空港機能を維持できるための非常に重要な取り組みといえるでしょう。
今回の目玉となるのは、関空の土台である「1期島」の南北と東側、計3方面の護岸を大幅に高くする工事です。具体的には、現在の護岸の高さを最大2.7メートル**、最低でも1.5メートルかさ上げするとしています。この高さは、あの大きな被害を出した2018年の台風21号と同じ程度の、非常に勢力の強い台風による高潮や波浪にも十分対応できる水準を目指しているのです。これは、まさに「水際で空港を守る」ための最前線の防御策といえます。
さらに、東側には**「消波ブロック」を設置し、波の勢いを弱める対策を講じます。また、特に影響を受けやすい南側には、消波ブロックに加え、水の浸入を防ぐための「防潮壁」も整備される見通しです。これらの多重防御によって、海からの水の侵入リスクを大幅に低減できるでしょう。災害対策は、一つの対策だけでなく、複数の手法を組み合わせることで、より高い効果を発揮します。
電気設備とターミナルを守る浸水対策とは
水の侵入を防ぐ「越波防止策」と並行して、空港の機能維持に不可欠な施設を守る「浸水対策」も徹底されます。中でも特に重要なのは、電力供給の要である「電気設備」の防御です。関空の運営に欠かせない特別高圧電気室などの主要な電気設備は、これまで地下に設置されていましたが、これらを浸水リスクのない地上へ移設することになりました。これは、万が一水が空港内に流れ込んでも、電源が落ちる事態を避けるための最善の策です。空港にとって電気は生命線ですから、この対策は非常に合理的といえるでしょう。
また、旅客が利用する第1ターミナルビル周辺には、水の流れ込みを防ぐ「止水板(しすいばん)」が設置されます。止水板とは、水害時に扉や出入り口などに設置して水の流れ込みを防ぐ板のことで、ビルへの浸水を食い止める重要な役割を担います。これらの設備対策に加え、排水機能を強化するための機動的な対策も導入されます。具体的には、災害時に備えて移動電源車や大型排水ポンプ車を新たに導入し、万が一の浸水時にも迅速に排水作業を行い、空港の機能停止時間を最小限に抑える体制を整えます。
この一連の大規模な防災強化プロジェクトの総事業費は約541億円にのぼります。関西エアポートは、これらの施策を2022年度末**までに全て実施する見通しとしており、関空がアジアの主要なハブ空港として、安全かつ安定的に機能し続けるための、企業としての強い意志が感じられます。今回の発表は、SNSでも「これは安心感が増す」「これだけの対策を打つのはさすがだ」といった肯定的な意見や、「予算も規模もすごい」と対策の大きさに注目する声が多く見受けられ、広くその取り組みが評価されている状況です。これは、関空の利用者だけでなく、日本の空の玄関口としての信頼を回復し、さらに高めるための必須の投資であり、その実行力に期待したいと考えます。