ロシア侵攻と欧州規制によるビットコイン急落!JPXが三井物産に出資し、仮想通貨市場拡大へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る


仮想通貨市場が再び注目を集めています。日本取引所グループ(JPX)が三井物産が運営する仮想通貨交換業者に3.6億円の出資を決定し、デジタル資産事業の拡大に乗り出しました。この動きは、デジタル資産の成長に対するJPXの強い意欲を示しており、今後の市場展開に大きな影響を与えるでしょう。

一方、ビットコインは最近、急落しました。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースや、欧州での厳格な規制が影響しているとされています。特に、欧州議会が提案した規制「MiCA」によって、エネルギー消費の多いマイニング方式の仮想通貨に対する規制が強化される見通しです。この規制がビットコイン価格にどのような影響を及ぼすのか、投資家たちの関心が高まっています。

また、デジタル人民元と米国のデジタル通貨を巡る競争も注目されています。北京五輪の際には、中国政府が推進するデジタル人民元に対する関心が高まる中、米国はデジタル通貨の戦略を進めています。両国の動きは、デジタル通貨の未来を大きく左右する可能性があります。

インフレと金融引き締めの影響で、新たな経済パラダイムが形成されています。特に、ステーブルコインやブロックチェーン技術の進展が注目されています。これにより、金融システムの変革が進んでおり、仮想通貨の新たな利用法が模索されています。

一方、仮想通貨投資の世界では、佐藤広行容疑者の逮捕やエルサルバドルのビットコイン導入の試練など、さまざまなニュースが飛び交っています。これからの仮想通貨市場にどのような展開が待っているのか、興味深い時代が続きそうです。



コンテンツ

JPXが三井物産の仮想通貨交換業者に3.6億円出資―デジタル資産事業の拡大へ


日本取引所グループ(JPX)は、2022年2月25日に三井物産などが運営する仮想通貨交換業者に対して、3億6,000万円の出資を行うことを発表しました。この出資により、JPXは収益源の多様化を図り、デジタル事業の強化を進める狙いです。特に、金を裏付けとする仮想通貨の販売を行う同交換所への投資が、その一環として位置付けられています。

出資先であるデジタルアセットマーケッツ(DAMS)は、三井物産のほかにも、インタートレード、セブン銀行、日産証券などが出資しており、JPXの出資比率は約3%に達する見込みです。DAMSは2022年2月中旬から、金価格に連動した仮想通貨「ジパングコイン(ZPG)」の販売を個人向けに開始しました。1ZPGは金1グラムに相当し、500円から取引可能です。また、銀や原油、二酸化炭素排出権など、金以外の商品を裏付けとする仮想通貨の発行も検討しています。

JPXは2022年4月に、指数算出やデータサービスなどのデジタル事業を集約した子会社を設立し、デジタル証券や仮想通貨を取り扱う構想を持っています。この出資によって、仮想通貨事業に関する知見を深め、デジタル分野のコモディティーとしての地位を確立することを目指しています。

海外の証券取引所では、仮想通貨の取り扱いに対して積極的な姿勢が見られます。例えば、米シカゴ・マーカンタイル取引所は2017年にビットコイン先物を上場し、2021年にはイーサリアムの先物取引も開始しました。



ビットコイン急落の原因とは?ロシア侵攻と欧州の厳格規制が影響


ビットコインの価格が急落したのは、2024年2月24日に報じられたロシアのウクライナ侵攻が原因です。暗号資産の代表格であるビットコインは、このニュースを受けて一時、前日比で10%以上の下落を記録しました。さらに、23日に欧州議会に提出された暗号資産規制「MiCA」の最終草案に、取引禁止の提案が含まれているとの報道が影響しました。この規制案では、特に多くの電力を消費するマイニング方式のビットコインなどについて、環境への配慮から取引やマイニングの禁止が提案される見込みです。

仮想通貨情報サイト「コインデスク」によれば、ビットコインの価格は1カ月ぶりに35,000ドルを下回り、23日の終値の38,000ドル台後半から一時的に11%安となりました。東京・千代田の交換所ディーカレットの前田慶次ディレクターは、米国株の先物取引などの影響で仮想通貨にも機械的な売りが急増したと指摘しています。

欧州でのエネルギー需給の逼迫懸念や、米国での暗号資産に関する大統領令の発表が予想される中で、地政学リスクと規制に対する投資家の慎重な姿勢が顕著になっています。



デジタル人民元と米国のデジタル通貨戦争:北京五輪の影響と今後の展望


北京五輪を迎えた際、世界の注目を集めるべきだった中国政府の「デジタル人民元」に関する報道が意外にも少なかったことは注目に値します。米国をはじめとする一部の政府や政治家が、個人情報の漏洩リスクや監視の懸念を理由に、選手や関係者に対してデジタル人民元の使用を控えるよう警告していたためです。中国側はこの舞台を利用してデジタル人民元のPRを図りたかったものの、その計画は思わぬ形で挫折してしまったようです。

習近平政権がデジタル人民元の導入を進める背景には、アリペイやウィーチャットペイといった民間電子決済サービスが金融取引や個人データを独占することによる国家のコントロールの喪失への懸念があります。そのため、中国はビットコインなどの暗号資産の国内利用を禁止し、またプラットフォーマーに対する規制を強化するなど、デジタルマネーに対する国家の統制を強めています。

一方、米国のバイデン政権は、仮想通貨に関する包括的な戦略を示す大統領令を今月中にも発表する方針です。仮想通貨や関連技術が金融に与える影響を抑え込むのではなく、取り扱いを明確にしイノベーションを促進する狙いがあります。実際、2021年秋にはビットコイン先物に連動する上場投資信託(ETF)の認可もその一環として行われました。

デジタルマネーの覇権を巡る米中のアプローチは対照的であり、中国は国家主導の統制を強化する一方、米国は民間の創意工夫や自由を尊重する方向で進めています。この対照的なアプローチが、デジタルマネーの未来をどう形作るのかが注目されるでしょう。



インフレと金融引き締めが導く新たな経済パラダイム:ステーブルコインとブロックチェーンの未来


ゼロ金利時代が終わりを迎え、世界の金融環境は劇的に変化しています。急激なインフレに対応するため、欧米の中央銀行がゼロ金利やマイナス金利政策の見直しに乗り出し、主要国で金利が上昇しています。この変化は、かつての金融環境とはまったく異なる新しい世界の幕開けを示唆しています。

「経済の体温計」とも言われる米国の長期金利が示すトレンドにも変化が見られます。2021年10月には、10年物国債利回りの5年移動平均と10年移動平均の差が0.08%未満に縮まり、34年ぶりの接近を記録しました。これはディスインフレ時代の終焉を予感させる現象です。

また、2021年末には英イングランド銀行が利上げを実施するなど、世界の中央銀行は金融引き締めに舵を切っています。新型コロナウイルス禍の影響や「近隣窮乏化政策」により、法定通貨の信認が低下し、通貨防衛戦争が始まったとも言われています。日本でも、日銀の対応の遅れが資本逃避や円安を招く恐れがあります。

グローバル化が進む中で、各国は通貨安を志向し輸出拡大に努めてきました。しかし、コロナ拡大や脱炭素政策の影響で物流や供給に制約が生じ、地域内での生産と消費が重視されています。このような状況では、通貨安のメリットが薄れ、通貨高の方が有利となり、マネーを引き寄せる力が重要視されるようになるでしょう。

実質金利に対する市場の見方も変わってきています。これまで実質金利が下がると株価が上昇するとされていましたが、景気を冷やす「悪いインフレ」の影響で株価が下落する可能性もあります。1970年代のように、低金利環境が銀行業務や投資に影響を与えることが考えられます。

このような中、暗号資産やステーブルコインといった新しいデジタルマネーが注目されています。ゼロ金利やマイナス金利の経験を通じて、貨幣と証券の境界が曖昧になったことが実感されています。ブロックチェーン技術による分散型台帳の導入が進むことで、不正の排除やプライバシーの保護が可能となり、金融界に新たな変革をもたらすでしょう。

岩村充・早稲田大学名誉教授は、金融界が金利の変動から抜け出すことで、ステーブルコインやデジタル証券の価値が高まり、様々な金融事業者が競い合う時代が始まると予見しています。このように、金利の変化は新しい金融の時代を切り開く鍵となるでしょう。



金融商品取引法違反で逮捕された佐藤広行容疑者、仮想通貨プレイコインの裏側


兵庫県警の生活経済課は、無職の佐藤広行容疑者(56)を金融商品取引法違反の疑いで逮捕しました。佐藤容疑者は、大阪市西区北堀江に住んでおり、暗号資産「プレイコイン」への投資勧誘を無登録で行ったとされています。プレイコインは海外のゲーム会社が開発したもので、佐藤容疑者は高配当を謳い文句に、仮想通貨や人工知能(AI)を利用したファンドへの投資を推奨していました。

この勧誘活動により、2021年3月までの4年間で、全国の約千人から15億円以上の資金を集めたとされています。2022年現在、兵庫県警はこの資金集めの実態解明に取り組んでいます。



エルサルバドルのビットコイン野望が試される瞬間!仮想通貨の未来は暗雲か?


エルサルバドルが2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用しましたが、米国の金融引き締めによる価格の急落により、その計画は早くも難題に直面しています。ブケレ大統領はビットコインを軸に戦略都市の建設を進め、投資を呼び込もうとしていますが、この仮想通貨の不安定さが浮き彫りになり、国民の間で不信感が広がっています。

首都サンサルバドルの携帯電話店で働くリカルド・ラシノさんも、その影響を受けた一人です。彼は、銀行への不信感からビットコインで給料を受け取ることを選びましたが、短期間でその価値が半分に減少したことで、ビットコインの安定性に疑問を抱くようになりました。このような不安定な価格変動は、国民の信頼を揺るがし、ビットコインシティの建設計画にも暗い影を落としています。

また、エルサルバドルの国民の7割がビットコインを法定通貨にした政策に不信感を抱いているという調査結果も出ています。ビットコインの下落がもたらす影響は、国の経済戦略にも大きな影響を及ぼし、ブケレ大統領が掲げる「ビットコインシティ」プロジェクトの実現にも疑問符がついています。

ブケレ大統領はビットコインを信じ続け、価格が下がったタイミングで追加購入を行うなど強気の姿勢を崩していませんが、その決断が国にどのような影響を与えるかは未知数です。資源や技術に乏しいエルサルバドルがビットコインで成功を収めるか、あるいは財政的なリスクにさらされるか、ブケレ氏の野望は試される局面に差し掛かっています。



仮想通貨投資の必須ツール!課税額管理で注目のコイントラッカーとは?


米国の新興企業コイントラッカーは、仮想通貨の運用成績や課税額を管理するソフトウェアを提供し、急成長を遂げています。同社はこの度、1億ドル(約115億円)の資金調達を行い、企業価値が10億ドルを超える「ユニコーン企業」となりました。2022年現在、50万人の利用者を抱え、同社のソフトウェアが管理する仮想通貨の総額は2,000億ドルに達しています。

仮想通貨市場は、NFT(非代替性トークン)の人気拡大に伴い、さらに活気を見せています。多くの投資家が複数の取引所やウォレットで仮想通貨を管理しており、こうした資産の運用成績や課税額を一元管理するサービスの需要も急増しています。コイントラッカーは、この市場のニーズに応えることで、仮想通貨関連ビジネスの中心的存在へと成長しつつあるのです。



仮想通貨ファンドに98億円流入、2カ月ぶりの大規模回復!機関投資家の注目再燃


暗号資産市場に資金が戻りつつあります。英調査会社コインシェアーズの報告によれば、2022年1月29日から2月4日までの間に、世界中の仮想通貨ファンドに約8500万ドル(約98億円)が流入しました。これは、12月末から続いていた流出傾向がようやく止まり、約2カ月ぶりの大規模な資金流入となったことを意味します。

特に、ビットコインに投資するファンドには7100万ドルが流入しましたが、一方でイーサリアムなど他の仮想通貨に関連するファンドからは資金が流出している状況です。全体的な資金流入の大部分は北米と南米からでしたが、欧州からも1030万ドルの資金が新たに流入しています。

マネックス証券の松嶋真倫暗号資産アナリストは、「機関投資家が再び仮想通貨を見直し始めた」と述べています。さらに、米コインデスクのデータによると、ビットコイン価格は2022年2月5日に2週間ぶりに4万ドルを回復しました。この回復は、米国の金融政策への懸念が和らいだことが一因とされています。



ビットコイン復活と仮想通貨の春:スーパーボウルが後押しする業界拡大


米国株式市場は2022年2月9日、ダウ工業株30種平均が3日連続で上昇し、投資家の心理が好転してきています。2021年10~12月期の米企業決算が好調だったことが主な要因です。また、ビットコインの価格も1月下旬の3万ドル台半ばから回復し、9日には約4万5000ドルに達しました。特に13日に開催されるスーパーボウルにおいて、仮想通貨業界の存在感が一層強まることが注目されています。

スーパーボウルは全米で約1億人が視聴するアメリカンフットボールの最大イベントであり、広告料の高騰も経済状況を反映しています。米メディアによると、30秒の広告枠に対して複数の企業が700万ドル(約8億円)を支払ったと報じられており、広告費が過去最高額に達したことが示されています。その中でも、仮想通貨関連企業が初めて広告を出すことが注目されています。特に「クリプト・ドットコム」と仮想通貨取引所「FTX」は、仮想通貨に関連するプロモーション活動を積極的に展開し、視聴者にビットコインが当たる抽選を実施しています。

2022年1月にリスク資産から資金が避けられる中、仮想通貨も大きな影響を受けましたが、ビットコイン価格は急速に回復しました。米オアンダのエドワード・モヤ氏は「ウォール街のリスクオンムードが仮想通貨市場を後押ししている」と分析し、仮想通貨に春が訪れる日も近いと予想しています。

仮想通貨業界はスーパーボウルをきっかけにさらに勢いを増し、経済圏が広がりを見せています。たとえば、バッファローウイングのソースメーカーであるフランクス・レッドホットは「食べられるNFT」というキャンペーンを展開し、消費者がデジタルコインをためてNFTを獲得できるという新たなプロモーションを打ち出しています。

また、米コンサルティング会社IEGによれば、仮想通貨業界の北米におけるスポーツ関連のスポンサー支出は2022年に1億6000万ドルを超えると予測され、航空会社やワイン会社を上回る勢いです。IEGのピーター・ラッツ氏は「驚異的な支出増加が、仮想通貨を知らない人々への認知拡大を狙っている」と指摘しています。

仮想通貨の広がりに伴い、規制も強化されつつあります。米議会下院の金融サービス委員会は8日に公聴会を開き、ステーブルコインの規制について議論しました。連邦政府も監督体制の整備に本腰を入れる構えであり、仮想通貨がメジャーな存在になるほど、規制が一層厳しくなるでしょう。



メタバース時代に対応するステーブルコイン、JPYCが切り開く新たな決済インフラ


「手数料ゼロの決済インフラを実現したい」と熱意を持って語るのは、日本円を裏付けにしたデジタル通貨「ステーブルコイン」を発行するJPYCの代表岡部典孝氏。彼の視線は、急速に進化するデジタル社会と次世代のインターネットプラットフォームである「メタバース」に向けられています。

岡部氏がデジタル通貨の重要性に気づいたのは、1990年代後半、学生時代のことでした。彼が熱中していたオンラインゲームでは、プレイヤーの増加に伴い、ゲーム内通貨の流通量も膨れ上がっていました。その経験を通じて「デジタル社会が拡大すれば、デジタル通貨が不可欠になる」と予見したのです。

その後、ゲーム会社を経営し、2019年にJPYCを設立。ステーブルコイン「JPYC」は、未使用残高が1000万円を超えたため、2021年5月に関東財務局に届け出を提出。2022年1月には単月で1億5000万円分が発行され、暗号資産を一度JPYCに変換してから決済に利用するニーズが増えています。

さらに、岡部氏が力を注ぐのは若手の育成です。「才能ある人材にはチャンスを与えたい」と、社員には週4日、計32時間の勤務を推奨し、残りの時間を活用して起業することを奨励しています。これまでに十数人の起業家が誕生しました。彼は、決済インフラの変革とスタートアップ業界の活性化、両方の実現を目指して進んでいくでしょう。



北朝鮮のサイバー攻撃:仮想通貨5億8千万ドル盗難とミサイル開発資金の真相


国連安全保障理事会の専門家パネルが、北朝鮮のサイバー攻撃の巧妙化について報告しました。この報告書案によれば、北朝鮮は仮想通貨の不正取得や防衛・経済に関するデータ収集を行い、攻撃の対象を広げています。彼らは不法に得た資金を利用して、核やミサイルの開発を継続しているのです。

北朝鮮のサイバー攻撃は主に三つの目的があります。第一に、仮想通貨交換所などへの攻撃で資金を獲得すること。第二に、情報収集を目的とした政府機関や企業への攻撃。第三に、制裁や監視を強める国や機関へのけん制です。これらの攻撃は、国家戦略として位置づけられ、多数の専門教育機関でハッカーを養成しています。例えば、金日成軍事総合大学では年間1000人のサイバー兵を育成しているとされています。

北朝鮮は、2023年1月にだけで7回のミサイル発射を行っており、これには多額の費用がかかります。このミサイル連発を可能にしているのは、仮想通貨の不正取得とマネーロンダリングです。北朝鮮は、2020年から2021年の半ばにかけて、少なくとも3つの仮想通貨交換所から合計5000万ドル(約58億円)以上を盗み出しました。また、民間のサイバーセキュリティー会社によれば、北朝鮮のハッカー集団は2021年に7回の攻撃で合計4億ドル相当の仮想通貨を盗みました。

狙われたのは常にインターネットに接続されている「ホットウォレット」で、盗まれた仮想通貨は北朝鮮が管理する口座に移され、その後他の仮想通貨に替えられることで追跡を困難にしています。さらに、北朝鮮のハッカー集団「キムスキー」は、防衛分野などの情報収集を目的に研究機関や企業へのハッキングを繰り返しています。2021年5月には韓国の原子力研究院のネットワークに侵入するなどしています。

また、北朝鮮は専門家パネルに対してもサイバー攻撃を仕掛け、パネルの専門家を装った偽のメールアドレスで他の専門家にハッキングを試みました。これらの攻撃は、北朝鮮の制裁逃れのための情報収集を目的としていると指摘されています。報告書案では、キムスキーが偽のウェブサイトに誘導して個人情報を取得する「フィッシング」を通じ、国際原子力機関(IAEA)も攻撃したことが明らかにされています。

さらに、2021年7月には北朝鮮が北西部の寧辺核施設で原子炉を再稼働させたことも報告されています。こうした複雑化する攻撃や制裁逃れの手法に対処するためには、国境や分野を超えた連携が急務です。



北朝鮮の仮想通貨ハッキング:58億円相当の暗号資産を盗んだ手口とは?


国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会がまとめた専門家パネルの年次報告書によると、北朝鮮が2020年から2021年半ばにかけて、仮想通貨取引所へのサイバー攻撃を通じ、約5,800万ドル相当の暗号資産を盗み出したとされています。この報告書は加盟国からの情報を基にしており、ロイター通信が報じました。

北朝鮮は制裁を回避しつつ、仮想通貨を狙ったサイバー攻撃を外貨獲得の主要手段とし続けていると報告書は指摘しています。実際、2021年の報告書でも、北朝鮮が2019年から2020年にかけて約3億ドル相当の仮想通貨を盗んだとされており、その収益源としての重要性は依然として高いと分析されています。

さらに、報告書は北朝鮮国内の生活状況についても触れており、厳格な新型コロナウイルス対策による移動制限が、国民の生活を悪化させている可能性があると述べています。ただし、安保理制裁が北朝鮮国民の困窮を引き起こしているかどうかについては、情報が不足しているため評価を避けています。

加えて、北朝鮮の核・ミサイル開発に関しては、ミサイル部隊の迅速な展開や機動性の向上が報告されており、これらの開発を進めるために引き続き海外から材料や技術を求めているとされています。



三井物産の金連動型仮想通貨「ジパングコイン」登場!価格安定性と決済の新時代へ


三井物産は2022年2月中にも、金を裏付け資産とする新たな暗号資産(仮想通貨)の発行を計画しています。この仮想通貨は金価格に連動し、価格の安定性を確保しながら、個人向けに販売される予定です。金という実物資産を基盤とすることで、ビットコインのような裏付けのない仮想通貨とは異なり、価格変動が抑えられるのが特徴です。スマートフォンに保存された仮想通貨を、提携店舗で電子マネーのように利用することも視野に入れています。

この新しい仮想通貨「ジパングコイン(ZPG)」は、日本初の金連動型仮想通貨となり、発行額に相当する金をロンドン市場から調達し、三井物産が管理します。また、セブン銀行との提携で設立された仮想通貨交換会社を通じて販売が開始され、他の交換所でも順次取り扱いが可能になる予定です。ZPGは金1グラム単位で小口取引ができ、三井住友銀行の銀行保証もついているため、信頼性の高い投資商品として注目されるでしょう。

さらに、ZPGは若年層の資産運用にも適しており、将来的には決済手段としても利用可能にする構想です。例えば、スマートフォンのウォレットアプリを使ってコンビニやスーパーでZPGを支払いに利用できるようになるかもしれません。決済時には瞬時に円に換金される仕組みが想定されており、店舗がZPGを直接受け取ることも可能になるでしょう。

一方で、仮想通貨市場に対する規制も強化されています。仮想通貨の売却や決済時には、値上がり分が課税対象となり、最大55%の税金がかかる可能性があります。また、金融庁は法定通貨を裏付けとする仮想通貨に対し、発行体を銀行や資金移動業者に限定するなどの規制を進めています。健全な市場を育成するためには、マネーロンダリング対策と併せて、適切な規制が不可欠です。

デジタル通貨の普及が進む中、三井物産のZPGは、新しい金融商品の一つとして、今後の動向に注目が集まるでしょう。



ハッキング被害から一転、QUOINEがFTXの傘下に!仮想通貨市場の新勢力とは?


仮想通貨交換業者QUOINE(コイン)は、2022年2月2日に海外の仮想通貨交換業者FTXトレーディングが親会社リキッドグループを買収する契約を締結したと発表しました。FTXはソフトバンクグループなどから出資を受けており、2021年8月にQUOINEがハッキング被害を受けた際には、約132億円の融資を提供していました。今回の買収は、その融資を株式に転換した形とみられます。

FTXは2019年に設立され、わずか数年で急成長を遂げています。2022年1月31日には、シンガポールのテマセク・ホールディングスを引受先とする4億ドルの資金調達を発表しました。これでFTXの企業価値は約3.6兆円に達し、半年間で3回の資金調達を実施するという勢いを見せています。また、FTXのCEOであるサム・バンクマン・フリード氏は、新規株式公開(IPO)の準備を進めていることも明らかにしました。



デジタル通貨とDeFiの台頭で揺れる銀行業界、400年の秩序が崩壊する瞬間


2021年夏、米国のある投資家は、スマートフォンを使い、数秒で中古車の購入資金を借り入れました。その借入先は、インターネット上で資金を預ける見知らぬ個人たちでした。このプロセスを可能にしたのが、分散型金融(DeFi)という革新的なプログラムです。暗号資産を活用することで、これまで数日かかっていた金融手続きが一瞬で完了し、銀行の関与も不要です。2021年11月時点で、DeFiに流れ込んだ資金は11兆円にも達し、わずか1年で5倍に成長しました。400年続いた銀行主導の信用秩序は、この技術革新によって揺さぶられています。

銀行の役割は、信用を提供することでしたが、その維持には多大なコストがかかります。例えば、2020年の米国銀行業界の関連費用は総収益の約6割、57兆円に達しました。一方、日本のATM維持費用は年間で2兆円に及びます。こうした高コスト構造を打破するのが、ブロックチェーン技術です。従来の銀行経由の送金は数日かかり、手数料も高額でしたが、ブロックチェーンを利用すれば瞬時に処理でき、手数料もほぼ不要です。

PwCの調査によると、ブロックチェーン技術の普及によって、2030年までに世界のGDPは200兆円以上押し上げられると予測されています。そのうち、金融サービス分野の革新による増加額は50兆円に上るとされています。かつて米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏が「銀行業は必要だが、銀行は必要ではない」と語った言葉が、現実味を帯びてきています。中国やインドでは、「銀行よりもテクノロジー企業を信用する」という回答が7割を超えています。

もちろん、全ての金融システムが技術によって取って代わるわけではありません。しかし、低コストでスピーディーなDeFiの登場は、従来の銀行業務に変革を促すでしょう。店舗という看板はもはや消えつつあり、銀行も異業種と競いながら、利便性の高いサービスを提供しなければならない時代が到来しています。

三菱UFJ銀行は、こうした変化に対応するため、「窓口は提携先に任せる」という戦略を打ち出しました。リクルートとの提携により、銀行は金融基盤の提供役に徹し、実を重視するアプローチを取りました。また、フィンテック企業の攻勢も顕著です。米国の決済大手ストライプの企業価値は10兆円を超え、日本の銀行各社の時価総額を上回っています。さらに、ブロックチェーン技術に社名を変更した米決済企業ブロックも、「管理者不要のサービス」を掲げ、業界に革新をもたらしています。

技術革新は、国の枠組みすら揺るがし、各国中央銀行もデジタル法定通貨(CBDC)の導入を進めています。仮想通貨が普及する中、各国は高コストで遅い国際送金への不満に応える必要に迫られているのです。見えないお金は、伝統的な金融秩序を解体し、新たな金融の担い手を問い直す時代を迎えています。



CBDC時代の幕開け!ディエム挫折がもたらす中央銀行デジタル通貨の加速と未来


メタ(旧フェイスブック)が推進していたデジタル通貨「ディエム(旧リブラ)」が、ついに発行を断念しました。このプロジェクトは、SNS利用者に便利な決済サービスを提供することを目指していましたが、各国政府や中央銀行がこれを通貨秩序への挑戦とみなし、強固な規制の壁を築いた結果、進展を阻まれました。この結果、ディエム協会は2022年1月31日に資産売却を決断し、プロジェクトは幕を閉じたのです。これにより、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発がさらに加速することが予想されます。

フェイスブックがデジタル通貨に参入しようとした背景には、高い送金・決済コストをビジネスチャンスと見込んだからです。特に、国際送金においては、手数料が非常に高く、グローバル化によって移民が増える中で、この問題は深刻化していました。そこで、法定通貨に裏付けられた「ステーブルコイン」を活用し、価格変動を抑えた低コストの決済ネットワークを構築しようとしましたが、各国の規制当局の警戒は解けませんでした。

計画は何度も修正され、名称も「リブラ」から「ディエム」に変更されましたが、大手企業の離脱や各国の反対により、プロジェクトはついに頓挫しました。しかし、この動きがきっかけで、世界中の中央銀行がCBDCの検討を加速させました。中国は2022年にも本格的な発行を視野に入れており、日本や米国でも議論が活発化しています。また、ブロックチェーン技術を活用した新たな決済システムも進展しており、デジタル通貨の未来が動き出しています。

このように、リブラが直接成功することはありませんでしたが、金融のデジタル化に向けた大きな一歩を踏み出したといえるでしょう。











  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*