Web3.0企業の投資戦略:トークン経済の未来を変える波:ビットコインとS&P500の相関強化

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日本の地方創生と金融技術の進化が交錯する中で、新たな潮流がいくつも生まれています。新潟県山古志地域では、実際の住民を超えた「デジタル村民」が仮想空間で急増し、地域の活性化に向けた新たなモデルを形成しています。これは、地方が抱える過疎化や高齢化といった課題に対する革新的なアプローチであり、デジタル技術を駆使して地域の課題解決に取り組む試みです。デジタル村民は、仮想空間での住民票を持ち、アイデアや資金を提供しながらリアルな地域貢献を果たしています。

一方、金融業界ではマネーロンダリング対策が進化しています。日本の法改正では、暗号資産の没収規定が強化される方向で議論が進められており、これにより不正資金の流入を防ぐための制度が整備されつつあります。これに伴い、トークン経済やWeb3.0企業への投資戦略も変化しており、仮想通貨市場のリスクが株式市場に影響を及ぼすとともに、セキュリティー・トークン・オファリング(STO)が資産運用の新たな選択肢として注目されています。

さらに、ビットコインのマイニングや仮想通貨市場の動向も注目されています。再生可能エネルギーを利用したビットコイン採掘の試みや、テラUSDの崩壊が示す仮想通貨市場の脆弱性は、今後の規制強化や新たな投資機会の形成に影響を与えるでしょう。また、コインベースやセルシウスのリストラ、さらにはニューヨーク州の仮想通貨マイニング制限法案など、各国での対応も注目されています。

このように、デジタルとリアルが交錯する現代において、地域社会や金融システムの革新は日々進化しています。今後の動向に注目しながら、どのようにこれらの変化が私たちの生活に影響を与えるかを見守ることが重要です。



コンテンツ

「デジタル村民」急増!新潟県山古志地域の仮想空間で進化する地方創生の新モデル


新潟県長岡市の旧山古志村では、過疎化が進行する中、ユニークな試みとして「デジタル村民」が急増しています。これらのデジタル村民は、実際に村に住んでいるわけではなく、仮想空間で「住民票」を持つ人々です。驚くことに、デジタル村民の数は実際の住民を上回り、その人口は600人を超えました。この取り組みは、過疎地域の課題解決に向けて、デジタル技術を駆使した新たな地方創生のモデルを提供しています。

「山古志のデジタル村民になりました」という書き込みが日々寄せられる専用のチャットサイトでは、英語や中国語を使う外国人の参加者も少なくありません。彼らは仮想空間で発行されるデジタル住民票を取得するために、非代替性トークン(NFT)であるデジタルアートを購入しています。このデジタルアートは、山古志のニシキゴイなどのモチーフで、購入には暗号資産のイーサリアム(ETH)が用いられます。

この「仮想山古志プロジェクト」は、リアルとデジタルの両面から地域の課題にアプローチする新しい試みです。プロジェクトは、デジタル村民からのアイデアや資金を活用し、実際の山古志地域の活性化を図っています。デジタル村民は世界中に散らばっており、彼らの知恵や資金が地域の発展に貢献しています。2022年2月には「山古志デジタル村民総選挙」を実施し、地域の魅力を発信するためのプランを選定し、実行しています。

竹内春華代表は、「人口のシェアリングが今後の地方創生には必要」と語り、デジタル村民との連携を通じて地域の高齢者に支援の輪が広がっていることを伝えたいと考えています。このプロジェクトは、過疎地域が抱える課題をデジタル空間で解決する一つの可能性を示しており、今後の地方創生の参考となるでしょう。



日本のマネーロンダリング対策が進化:暗号資産没収に向けた法改正の動き


法制審は、犯罪収益として得た暗号資産(仮想通貨)を確実に没収するための組織犯罪処罰法の改正を検討しています。これは、暗号資産がマネーロンダリング(資金洗浄)などの違法行為に利用される懸念が高まる中で、法整備を進める狙いがあります。2022年現在の組織犯罪処罰法では、没収対象として「不動産、動産、金銭債権」が規定されていますが、暗号資産はそのいずれにも該当しないとされています。このため、法制審では没収対象を「財産」と広く規定する方向で議論が進められています。

実際に、サイバー犯罪などで暗号資産が不正に取得されたり、資金洗浄に悪用されたりする事件が発生しています。例えば、2021年にはソニー生命保険の海外子会社が不正送金の資金をビットコインに換金し、米国で没収手続きが進められましたが、日本国内ではその没収の可否が不明です。このような状況を受けて、捜査当局は対策の強化を求めています。

また、国際組織「金融活動作業部会(FATF)」は、2021年8月に発表した報告書で日本のマネロン対策が不十分であると指摘しました。この指摘を受けて、法制審の部会では犯罪収益隠匿罪の厳罰化とともに、没収制度の立法措置が必要であるとの意見が上がっています。法整備が進むことで、暗号資産の不正利用に対する対応が一層強化されるでしょう。



トークン経済の波!Web3.0企業への投資戦略が変える未来


2021年11月に設立されたセガファイナンスは、分散型金融(DeFi)を活用し、仕組み債に投資するサービスを開発中です。資金調達を開始すると、ドラゴンフライ・キャピタルなど世界中のベンチャーキャピタル(VC)から申し込みが殺到し、予定額の約20倍にあたる約40億円が集まりました。この成功の要因は、トークンワラントを組み合わせた「SAFE」と呼ばれるシンプルな契約形式にありました。このトークンワラントは、将来デジタル資産であるトークンを発行した際に、低価格で入手できる権利を与えるものです。同社の豊崎亜里紗社長は「日本のVCに比べ、海外のVCは一歩先を行っている」と話しています。

このような状況にもかかわらず、海外VCは日本企業への投資に強い意欲を示しており、特にブロックチェーン技術を基盤とした分散型ネットワークを構築する「Web3.0」企業を注目しています。たとえば、NFT(非代替性トークン)を取り扱うナッジ(東京・千代田)では、資金調達の過程で半数近くの申し込みが海外からのものでした。フィンテック協会長でもある沖田貴史社長は「IPOを目指す一方で、トークン発行にも挑戦したい」と意欲を示しています。

この動きに対応するため、国内のVCも準備を進めています。スカイランドベンチャーズなど3社は、弁護士の増島雅和氏と共同で「トークン付与覚書」のひな型を公開しました。この覚書は、新株予約権を有償発行する「J-KISS」という手法による資金調達時に投資家と締結し、将来的にトークンを発行した際に一定の比率でトークンを投資家に渡す仕組みです。

一方で、日本の証券会社はトークンの価値評価方法について課題を抱えています。株式は企業全体の価値を基に発行されますが、トークンは特定の事業やプロジェクトの価値に基づいて発行されます。そのため、トークンが新たな利害関係者を生む可能性があり、既存の株主にとって「希薄化」のリスクが生じる恐れがあります。しかし、「株式とトークンの関係をどのように整理すべきかはまだ分からない」と大手証券会社の幹部は述べています。

トークン評価の方法を持たないままでいると、Web3.0企業の株式引き受けやIPO主幹事の機会を逃すリスクがあります。SBIホールディングス傘下のSBIインベストメントは、トークンで出資するファンドの設立を検討しており、大手証券もこの分野での議論を急いでいます。

政府は「骨太の方針」に「Web3.0推進に向けた環境整備の検討」を盛り込み、トークン課税の見直しについても年末に向けて自民党税制調査会が議論を開始する見通しです。今後、リスクマネーの一部が株式からトークンへと移行する可能性が高まる中、証券会社をはじめ、監査法人や東京証券取引所などの資本市場のプレーヤーは、十分な準備ができているでしょうか。



ビットコインとS&P500の相関強まる、仮想通貨リスクが株式市場に影響


2022年6月27日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が前週末比62ドル(0.2%)下落し、31,438ドルで取引を終えました。この日の市場では、仮想通貨ビジネスの低迷が株価に影響を与え、関連銘柄の下落が目立ちました。特に、ビットコインなどの仮想通貨の相場急落が関連企業に影響を及ぼし、その影響が米国株式市場全体に波及するリスクが懸念されています。

仮想通貨交換業大手のコインベース・グローバルは、ゴールドマン・サックスの投資判断が「中立」から「売り」に格下げされたことで、株価が11%も急落しました。アナリストたちは、仮想通貨相場の低迷と取引量の減少がコインベースの収益をさらに悪化させると見ており、同社の売上高が前年比で61%減少する可能性があると予測しています。このため、すでに発表された人員削減に加え、さらなる削減が必要になると見られています。

さらに、仮想通貨ヘッジファンド「スリー・アローズ・キャピタル」が、ビットコインを含めた約6億7,000万ドル(約905億円)の返済を果たせずにデフォルト(債務不履行)に陥ったことや、仮想通貨融資サービス「セルシウス・ネットワーク」が破産申請に向けてアドバイザーを雇用したというニュースも報じられ、仮想通貨業界全体の不安が高まっています。

こうした仮想通貨市場の低迷は、S&P500種株価指数とビットコインの相関関係が高まっていることから、株式市場全体にも影響を与えると懸念されています。アーケイン・リサーチによると、年初からビットコインとS&P500の相関関係が上昇しており、特に2022年5月上旬には過去最高水準に達していました。この背景には、機関投資家によるビットコインの採用が進んだことが影響しているとされています。

仮想通貨市場が一時的に落ち着きを見せる中でも、さらなる下落のリスクが依然として残っています。スリー・アローズ・キャピタルのように、リスク管理やデューデリジェンスの甘さが原因で、デフォルトが他の市場に伝染し、さらなる市場圧迫を引き起こす可能性が高いと警戒されています。年初からの下落率を見ると、S&P500は2割弱の下落に対し、ビットコインは5割以上の下落となっています。そのため、仮想通貨は株式相場の先行指標としても注目されており、今後の動向には引き続き注意が必要です。



セキュリティー・トークン・オファリング(STO)で資産運用が変わる!日本企業も参入


仮想通貨に対する懸念が高まる中、新たな注目を集めているのが、不動産や社債をブロックチェーン技術を使って小口化するセキュリティー・トークン・オファリング(STO)です。STOは「トークン・エコノミー」の一環として、デジタル化された取引の世界を広げつつあります。

例えば、三井物産デジタル・アセットマネジメントはマンションや倉庫のSTOを手掛けており、都内のマンション3棟のトークン募集がわずか1週間で完売するなど、個人投資家からの関心が非常に高いといいます。2020年の金融商品取引法改正をきっかけに、日本でも不動産や社債をトークン化する事例が増えてきました。

STOの魅力は、資産を小口化して流通させやすくする点にあります。さらに、発行コストや手間も従来の社債に比べて軽減されるため、より多くの投資家が参加しやすくなっています。米国やアジアがSTO市場の中心ですが、日本企業も積極的にこの分野に参入し、デジタル資産管理やトークンの利用が広がりつつあります。

米国の調査によれば、STO市場は急速に拡大しており、時価総額は約135億ドルに達しました。しかし、この新しい市場には課題も残っています。例えば、トークンの取引で仮想通貨が使用される場合、その価格が仮想通貨の相場に左右されやすいというリスクが存在します。NFT市場でも、同様の課題が指摘されており、仮想通貨の価値変動によって市場の取引量が大きく減少するケースが見られました。

また、日本ではSTOの知名度が低く、市場規模も限られています。専門家は、自由な取引が可能になるような仕組み作りが必要だと指摘しています。しかし、日本にはポイントやマイレージといったトークン経済圏がすでに存在しており、この潜在力を活用することで、トークン・エコノミーがさらに広がる可能性があります。

仮想通貨をはじめとするブロックチェーン技術が新たな市場を切り開いていますが、その未来はまだ模索の途中です。個人が資産を手軽に取引できる市場へと進化するのか、それとも投機の場にとどまるのか、その行方が注目されます。



分散型金融の未来:DeFiの成長と規制強化がもたらす新たな投資機会


暗号資産市場が揺らぐ中、シンガポールを拠点とする仮想通貨ヘッジファンド「スリー・アローズ・キャピタル」が、資金繰りに追われています。同社の共同創業者スー・チュー氏は、問題解決に全力を尽くしているとツイッターで述べていますが、状況は深刻です。同社は投資家からの資金に加え、仮想通貨を担保に借り入れた資金を高利回りの仮想通貨に投資してきましたが、相場の急落で追加証拠金の支払いができず、強制売却に追い込まれました。

この取引の舞台となったのは、金融機関を介さずに世界中の誰もがアクセスできるという触れ込みの分散型金融(DeFi)プラットフォームです。かつて市場規模が15兆円に迫ったDeFiですが、その成長は過剰なレバレッジをかけた投機マネーによるものであったことが明らかになりつつあります。特に、仮想通貨の貸し借りや売買が可能なDeFiのサービスは、利用者同士を低コストでつなぐことを特徴としていますが、一度相場が下落すると資金は急速に逆流するというリスクも孕んでいます。

実際、ブロックチェーンデータの分析によると、DeFiにひも付けられた資金は、2021年11月のピーク時から約3分の1にまで減少しています。さらに、セキュリティーの脆弱性も露呈し、2022年には「ワームホール」や「ローニンネットワーク」がそれぞれ数億ドル規模のハッキング被害を受けました。また、DeFiはマネーロンダリングの温床ともなっており、2021年には約86億ドルの資金が仮想通貨を通じて洗浄されたと報告されています。

こうしたリスクを受けて、米証券取引委員会(SEC)はDeFiに対する規制方針を見直し、多くのプラットフォームがSECへの登録を義務付けられる可能性があります。また、日本の金融庁もDeFiに関するリスク低減策を提言しており、金融市場への影響を最小限に抑えるための規制が進んでいます。

かつてジャンク債の帝王として知られたマイケル・ミルケンは、不正行為でウォール街を追われましたが、ベンチャー企業にとっての資金調達手法を残しました。DeFiも同様に、投機の舞台から脱却し、社会に利益をもたらす存在へと進化できるかどうか、その存在意義が今、問われています。



テラUSD崩壊の真相:仮想通貨市場を揺るがすドル連動の虚構


ブロックチェーン技術を基盤とする暗号資産(仮想通貨)や分散型金融(DeFi)は、2022年現在、大きな逆境に直面しています。その一例が、かつて時価総額で2.5兆円を誇ったテラUSD(現在のテラクラシックUSD)の急落です。2022年5月に、テラUSDのドルとの価値連動が崩れ、わずか5日間でその価格は約90%も下落しました。これにより、仮想通貨市場全体に広がる売り圧力が増し、混乱が拡大しました。

テラUSDの崩壊の背後には、その価値を支えるメカニズムの脆弱さがありました。テラは韓国のテラフォーム・ラボが開発したプログラムによって発行・管理され、1ドルと等価を謳っていましたが、実際にはドルで裏付けされた資産を保有していませんでした。その代わり、テラの価値を保つために、同じプログラムが発行する1ドル相当の仮想通貨ルナとの交換が可能という仕組みでした。しかし、このメカニズムは、テラ自体の価値が下がると、ルナの価値も下がり、価値を維持する力を失うという「堂々巡り」のような構造に陥っていました。

また、テラフォームが提供していた高利回りの投資機会にも無理がありました。テラUSDを預けると年率20%近い利回りを約束していましたが、この利子は実質的には運営会社の内部資金から支払われており、持続不可能な仕組みでした。これが新規加入者を呼び込み、テラの時価総額は崩壊直前の3カ月間で約7割も増加しましたが、結局は大規模な崩壊に至りました。

テラUSDの創設者、ド・クォン氏は、国家から独立した新しい金融システムを構築しようとする野望を抱いていましたが、彼の計画は仮想通貨市場の混乱の中で瓦解しました。そして、テラと似たような構造を持つ他のステーブルコインも、同様のリスクにさらされています。

それでも、仮想通貨の未来を信じる投資家たちは、金融市場の混乱がFRBの金融政策の失策に起因していると批判し、依然としてその信念を捨てていません。果たして、これらの混乱が収束した後、仮想通貨の理想を体現するシステムが生き残ることができるのでしょうか。



再生可能エネルギーでビットコイン採掘!フエルハッシュが太陽光マイニングを今夏スタート


再生可能エネルギーを活用した仮想通貨採掘が注目されています。東京・千代田の企業、フエルハッシュは、今夏から国内の太陽光発電を利用したビットコインマイニングサービスを開始する計画です。ビットコインの採掘は多くの電力を必要とし、環境への負荷が問題視されていますが、フエルハッシュはこの課題に対応するため、再生可能エネルギーを活用する新しいアプローチを提供します。

この取り組みでは、ESG(環境・社会・企業統治)に関心を持つ投資家や中小企業のオーナーが、太陽光パネルとマイニング機器を購入することで、環境負荷を軽減しながら仮想通貨の採掘に参加することができます。フエルハッシュは、持続可能なエネルギー利用によるビットコインマイニングの普及を目指し、よりクリーンな技術革新を推進しています。



ペイパル、世界進出を加速:アフリカと南米における決済代行サービスの拡大


ペイパル・ホールディングスが、事業拡大を加速しています。過去2年間で、数百件の戦略的提携に加え、30社以上への出資と数件の買収を実施しています。ペイパルは、世界市場への進出を目指すとともに、暗号資産やブロックチェーン技術を取り入れた新たな金融サービスの展開を計画しているのです。

最近の買収や提携の動きを見ると、ペイパルは決済代行サービスや銀行業務など、5つの重要な戦略に力を入れています。特に決済代行サービスでは、アフリカ市場をターゲットにしており、エジプトや南アフリカの企業への投資が目立ちます。銀行業務に関しては、ブラジルのデジタル金融サービスプロバイダーであるネオンなどに出資し、デジタル口座の提供を強化しています。このように、ペイパルは多角的なアプローチでグローバルな展開を進めています。



ビットカブ、タイからの脱却を図る!競争激化と規制強化に対抗する海外展開の狙い


タイの最大手仮想通貨交換所であるビットカブは、海外進出を積極的に検討しています。ジラユット最高経営責任者(CEO)は、フィリピンやカンボジア、ラオスなどの東南アジア諸国を進出先として考えていることを明らかにしました。タイ国内では競合他社との争いや、規制の強化により事業環境が厳しさを増しており、より競争の緩やかな地域への展開を通じて成長を図る狙いがあります。

ビットカブは2018年に設立され、ビットコインをはじめとする主要な仮想通貨を扱っており、年間取引額は1兆バーツ(約3兆8,000億円)を超える規模です。国内シェアは90%に達し、タイの金融大手サイアム商業銀行の傘下にもなっています。ジラユット氏は進出先の選定について、フィリピンなどの国々には明確な市場の勝者がいないため、激しい競争に陥る心配が少ないと述べています。

また、ビットカブは技術者の確保も重要な課題となっています。2022年現在、250人のブロックチェーン技術者を抱えているものの、事業拡大に伴い最低でも500人の追加が必要とされています。タイ国内での人材確保が困難になっているため、ベトナムなど周辺国での募集を計画しています。ジラユット氏は、進出時期について具体的な時期は明言していませんが、現地政府との密な連携を進める方針を示しています。



BIS報告書が指摘する仮想通貨の問題点と金融システムへの影響


国際決済銀行(BIS)は、デジタル通貨に関する最近の報告書で、仮想通貨に内在する構造的な欠陥について警鐘を鳴らしました。特に価格変動が激しい仮想通貨は、通貨システムの基盤として適さないと指摘しています。BISは、仮想通貨に関連する仲介業者への規制が不十分なまま投機が加熱すると、金融システム全体にリスクを及ぼすと警戒しています。

例えば、代表的な仮想通貨であるビットコインは、2022年6月18日に一時的に2万ドル(約270万円)の節目を割り込みました。これは2021年11月の最高値からの下落率が7割を超えるもので、金融緩和で仮想通貨に流入していた資金が逆流しているのが原因です。BISの調査部門トップ、ヒュン・ソン・シン氏は、仮想通貨の価格崩壊が金融システムの安定に対するリスクを強調していると述べました。

また、仮想通貨の取引は多くの場合、規制されていない仲介業者に依存しており、これがリスクを増大させていると報告書は指摘しています。仮想通貨の制度は非中央集権的であるものの、実際には仲介業者に決済リスクが集中しているのです。

現在、相場の急落は仮想通貨運用会社の経営不振が一因とされています。シンガポールのヘッジファンドが相場急落で追加担保を出せず、取引の一部が清算されたというニュースもあります。このような経営不振が投資家の投げ売りを呼び、さらなる価格下落を招くという悪循環が見られます。

さらに、サイバー攻撃による仮想通貨の流出も問題視されています。一部の仮想通貨がロシアへの経済制裁の抜け穴になる恐れもあるため、国際通貨基金(IMF)も規制の不備を指摘し、急変する市場への警戒を強めています。

一方で、中銀が発行するデジタル通貨「CBDC」については、利用者のプライバシー保護と金融包摂の強化が期待されています。ヒュン・ソン・シン氏は、「イノベーションは単なる流行語や最新のファッションではなく、利用者のニーズを見失ってはならない」と強調しました。

CBDCについては、米連邦準備理事会(FRB)が「デジタルドル」の実現に向けた初の報告書を発表し、欧州中央銀行(ECB)も準備を進めています。日本銀行も4月からCBDCの実証実験を第2段階に移行し、決済の利便性向上や保有額の上限設定といった通貨に必要な機能の検証を進めています。



仮想通貨市場の急落:レバレッジ運用と運用会社の困難が引き起こす悪循環


仮想通貨市場は現在、深刻な困難に直面しています。金融引き締めの影響で投資家たちが資金を引き上げる中、仮想通貨の価格は一段と下落し続けています。さらに、運用会社の経営不振も加わり、悪化の一途を辿っているのです。一部の運用会社は高いレバレッジを使って資産運用を行っており、相場の急落によって巨額の損失を被り、その結果として資産売却を余儀なくされています。このような状況が連鎖的に価格下落を引き起こすとの懸念が広がっています。

たとえば、シンガポールのヘッジファンド「スリーアローズキャピタル」は、急激な市場変動により追加担保の提供ができず、取引の一部が清算される事態となりました。同ファンドは以前、約100億ドル(約1兆3000億円)の運用資金を誇っていましたが、現在ではその額は40億ドルにまで減少しています。投資先である仮想通貨の多くは2021年のピーク時から価格が80%以上も下落しています。

また、仮想通貨のヘッジファンドの多くがレバレッジを効かせた運用をしており、自己資金を担保にさらに仮想通貨を調達することで、多額の取引を行っています。国際決済銀行(BIS)もこのようなレバレッジ運用が価格下落を増幅させるリスクを警告しています。

特に大手ソフトウェア開発企業「マイクロストラテジー」は大量のビットコインを保有しており、現状の価格で計算すると含み損は10億ドルを超えています。CEOのマイケル・セイラー氏は保有を続ける意向を示していますが、市場ではビットコインを担保にした借入れのために売却する可能性が高いと見られています。

さらに、仮想通貨を担保に融資を行う企業への警戒も高まっています。たとえば、仮想通貨運用を委託していた「フィンブロックス」は出金制限を発表し、業界2位の「セルシウス」は取り付け騒ぎを起こしています。このような事態が続くと、仮想通貨の安全性への疑念が強まり、さらなる価格下落を招く可能性が高いでしょう。



メタバース事業化の進展:コロナ後の仮想空間活用が加速する理由


日本企業がメタバースへの対応を急いでいる状況が浮き彫りになっています。PwCコンサルティングが実施した調査によると、約1000社の企業のうち、2割近くがメタバース関連事業を「1年以内に実行する予定」と回答しました。日本の企業は、メタバースを新たな顧客接点として捉え、そこから新規事業を創出し、営業力を高めることに期待を寄せています。

PwCコンサルティングの林和洋パートナーは、メタバースを「コンサルティング会社が真価を発揮できる領域」と評価しています。実際に、PwCは2021年秋にメタバース専門のコンサルタントチームを立ち上げ、仮想空間での入社式や社内イベントを実施しています。このように、同社は自らもメタバースの活用を進めています。

調査は、第1次産業を除く全業種を対象に、メタバースに興味があり、かつNFT(非代替性トークン)を認知している1085社を調査しました。その結果、約200社が1年以内にメタバース活用を進めると回答し、さらに38%にあたる400社以上が具体的な案件の進行や検討を行っていることが分かりました。日本企業がメタバースを積極的に活用しようとしている背景には、過去のような新規事業立ち上げの遅れを克服し、比較的迅速に動けるという期待があります。

新型コロナウイルスの影響で、物理的な接触を避けるために仮想空間の利用が広がっている中、調査では87%の企業がメタバースを新たなビジネスチャンスと考えていることが明らかになりました。具体的には「新規ビジネスの創出」(47.4%)、「営業力の強化」(33.6%)、「顧客サービスの向上」(33.0%)といった目的が多く挙げられています。

しかし、調査が行われたのは2022年3月であり、その後、米国などでは新興テック業界が厳しい状況に直面しています。特に、メタバースと密接に関連するNFTや暗号資産の市場も影響を受けています。例えば、メタ(旧フェイスブック)は採用凍結の報道があり、ナスダックは年初から3割程度の下落を見せています。また、NFTの取引量も急激に減少しています。

PwCの長嶋孝之ディレクターは、「経営者たちはメタバースを長期的な取り組みとして捉えており、短期的な停滞は大きな影響にはならない」と見ていますが、新興テックの勢いが失われ、投資マネーが減少すれば、メタバースへの期待感も薄れる可能性があります。調査結果からは、メタバース導入の目的が不明確であったり、事業開発に必要な人材育成に懸念があったりする企業も見受けられます。このような状況において、コンサルティング会社が重要な役割を果たし、企業がメタバースの潜在能力を引き出す手助けをする必要があるでしょう。



仮想通貨市場の急落とリストラ:コインベースやセルシウスの危機的状況とは?


米国株式市場は2022年6月16日、ダウ工業株30種平均が1年5カ月ぶりに3万ドルの大台を割り込みました。米連邦準備理事会(FRB)が2022年6月15日に0.75%の利上げを決定し、欧州の中央銀行も続けて利上げを実施しました。これにより金融引き締めが景気悪化の懸念を高め、投資家の心理に悪影響を及ぼしています。その影響は仮想通貨市場にも及び、ビットコインの価格も不安定な状態が続いています。2022年6月16日には一時2万1000ドルを下回り、週初からの下落率は3割に達しました。また、仮想通貨取引所のコインベースの株価も前日比で7%の下落を記録しました。

さらに、仮想通貨融資サービスを提供する米セルシウス・ネットワークが2022年6月12日に出金停止を発表し、その後も資産引き出しや口座間の資金移動が凍結されたままとなっています。同社は現在、法律事務所と契約し、リストラ策を検討しているとのことです。セルシウスは「最大で年利18%」などの高利回りを謳い、顧客から預かった仮想通貨を貸し出してリターンを得ていました。しかし、預かり資産の運用状況が不明確であり、預金保険もないため、投資家からの不安が高まっています。米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長も、仮想通貨の貸出業者について警戒するよう投資家に呼びかけています。

また、テキサス州オースティンで開催された「コンセンサス」という世界最大級の仮想通貨イベントでは、3年ぶりの対面開催に人々の熱気が感じられる一方で、相場の不安定さも影を落としています。アルカのレイン・スタインバーグCEOは、短期的な底入れは難しいとしつつも、長期的な回復に自信を見せました。しかし、出展ブースの規模や参加者の様子には変調の兆しも見られ、関係者たちは今後の変動に備えています。



仮想通貨大手のリストラ続出!コインベースの急落と市場の未来


仮想通貨業界でのリストラが続いています。特に米国の暗号資産取引所大手、コインベース・グローバルは、全従業員の18%に当たる1,100人の削減を決定しました。ビットコインの価格がピーク時の約7割にまで下落し、業績の悪化が懸念されています。これに伴い、仮想通貨の利用が投機から決済手段などにシフトできるかが注目されています。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、長引く不況に備えた人員削減の理由を説明しました。彼は、経済の悪化が仮想通貨市場に「冬の時代」をもたらしていると指摘しています。米JPモルガンも、相場の急落と投資の急増により、今後の利益確保が難しくなると警告しており、コスト削減の必要性が強調されています。実際、コインベースの株価は年初から約80%も下落しています。

新型コロナウイルスによる金融緩和で仮想通貨市場には大量の投機マネーが流入しましたが、金融引き締めによりその逆流が始まっています。ビットコイン価格は2021年11月の最高値から約7割も下落し、世界の仮想通貨市場の時価総額も1兆ドルを下回る低水準に落ち込んでいます。

「仮想通貨の冬」という言葉が象徴するように、業界全体が厳しい状況に直面しています。米ジェミニの創業者ウィンクルボス兄弟も、従業員の約10%を削減する計画を発表しました。さらに、仮想通貨の貸し付けを手がける米ブロックファイや、クリプト・ドットコムもそれぞれ20%と5%の人員削減を発表しています。

このような市場動揺の中で、仮想通貨の決済手段としての利用可能性が問われています。米決済大手ペイパルは、仮想通貨での決済サービスを導入し、その利便性が注目されています。ウォール街も仮想通貨ビジネスに対する傾斜を強めており、米ゴールドマン・サックスはビットコイン先物やオプション取引を提供し、ビットコインを担保にした融資業務を開始しました。

今後の仮想通貨市場においては、価格の安定と決済手段としての利用が鍵になるでしょう。米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、最近の市場動向が投資家保護の緊急性を浮き彫りにしていると述べています。規制強化は収益性に影響を与える一方、透明性の向上につながる可能性があります。

仮想通貨市場が一連の変化を経てどう進化するのか、冷静に見守る必要があるでしょう。



ビットコインと伝統資産の分散投資:401(k)プランでの新たな試みとその影響


米国のフィデリティが、確定拠出年金(401(k)プラン)の運用先としてビットコインを導入したことが話題となっています。この新たな試みは、仮想通貨が老後資産の一部として適切かどうかという議論を呼び起こしています。米国の労働省は、仮想通貨の価格変動の激しさから、老後資産の運用先としてはふさわしくないとの立場を示しています。一方で、擁護派は年金基金の一部として仮想通貨が利用されており、401(k)プランでも導入されないと個人が不利になると主張しています。

日本では、老後資産に暗号資産を取り入れることは考えにくいという意見が多いですが、この問題は単純ではありません。ビットコインを導入する初めての企業は、仮想通貨についてよく理解しているテック企業となる見込みです。この導入により、従業員の人材獲得にも寄与すると期待されています。仮想通貨と伝統的な資産の値動きに相関がなければ、分散投資として理にかなっているという意見もありますが、この点については今後の動向を注視する必要があります。

すべての運用商品が万人に適しているわけではありませんが、特定のグループには有効であることもあります。最終的にどの運用商品を採用するかは、事業主の判断に委ねられています。従業員の利益を最優先にしつつも、誤った判断を下した場合には訴訟のリスクもあるため、受託者としての事業主には慎重な決断が求められます。事前規制が一律に設けられると、企業の裁量が制限される可能性があり、思考停止に陥るおそれがあります。しかし、労働省は仮想通貨の禁止を考えておらず、事業主が決定することを尊重しています。

新しい環境でのルールが未整備な時こそ、日米の違いが際立ちます。米国では、明文化されていない場合は基本的に自由と解釈して行動するのが一般的です。実際、401(k)プランも税法の解釈を基に民間人の着想から生まれたものでした。一方で、日本では明文化されていない場合、行政に確認を取ってから行動するのが通例です。どちらがイノベーションを生みやすいかは一目瞭然です。健全で活発な議論が社会の変革を生むという観点から、この問題を捉える必要があります。



米仮想通貨大手コインベース、経済悪化で1100人削減|株価急落と業績悪化


暗号資産(仮想通貨)の米大手取引所、コインベース・グローバルが2022年6月14日に全従業員の18%にあたる1100人の削減を発表しました。これは世界中の拠点で実施され、削減後の従業員数は5000人となる見込みです。コインベースの最高経営責任者(CEO)ブライアン・アームストロング氏は、経済情勢の悪化が「仮想通貨の冬」を引き起こし、これが長期化する可能性があると述べています。業績の低迷を受けて、リストラの決断に至ったのです。

アームストロング氏は、経済環境の厳しさを「不況に突入しているようだ」と認識し、コスト管理が不可欠であると強調しています。これにより、経営の重荷となっている人件費の削減が必要だと説明しました。新型コロナウイルス下での金融緩和によって仮想通貨市場に資金が流入し、コインベースは2021年から1年半で従業員数が約4倍に増加しましたが、急成長が裏目に出た形です。

直近の仮想通貨相場の急落により、適切な経営規模の見直しが必要になりました。2022年の第1四半期の売上高は前年同期比で35%減少し、11億6600万ドル(約1500億円)となりました。最終損益は4億2900万ドルの赤字で、上場以来初めての赤字転落です。加えて、6月初旬には新規や中途の採用を取りやめ、内定も取り消す決定をしています。株価も5月末比で34%下落しました。

また、ビットコインの価格は2022年6月13~14日にかけて一時2万1000ドルを下回り、わずか1週間で3万1000ドル台から約1万ドルの下落を見せました。15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見を控えており、米外国為替証拠金(FX)取引大手オアンダのエドワード・モヤ氏は、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派的姿勢を強めた場合、ビットコインは1万7000ドル台まで下落する可能性があると指摘しています。



仮想通貨ホルダー必見!タイのメタバース不動産が生む新たな投資機会


タイの不動産市場は、仮想空間メタバースを活用した新たなビジネスモデルに挑戦しています。国内大手の不動産企業は、実在する物件を仮想空間で再現し、顧客にバーチャルな内覧体験を提供するほか、仮想空間内の土地や建物の販売にも乗り出しました。特に、暗号資産(仮想通貨)保有率が世界一とされるタイでは、この新たな取り組みが大きな期待を集めています。しかし、実体のない物件がどこまで一般的に受け入れられるかは未知数であり、投機的な側面が強調される懸念もあります。

例えば、不動産大手プロパティ・パーフェクト(PF)は2024年までに実在する高級住宅をメタバースで再現し、顧客がバーチャルアバターを使って物件を見学できるサービスを提供予定です。また、2027年までには仮想空間のみに存在する不動産の販売にも乗り出す計画です。さらに、アニメーション制作会社と提携し、仮想の街「トランスルーシャ」の開発を進める企業も登場しています。

タイでは、暗号資産が主な決済手段として広がりつつあり、メタバース関連ビジネスの成長が期待されています。しかし、仮想空間内の土地価格が急激に上昇する一方で、その価値が実際にどれほど持続するかは不透明です。過当競争により価格が下落するリスクもあり、企業は自社のメタバースにどれだけ多くの「住人」を引き込めるかが、成功の鍵となるでしょう。



仮想通貨市場が揺れる!セルシウス出金停止とビットコインの急落で波紋広がる


米国の暗号資産レンディング大手であるセルシウス・ネットワークが2022年6月13日、顧客資金の出金や送金を一時的に停止すると発表しました。同社は「市場環境の悪化に伴い、金利の支払いを優先するため」としており、この決定は仮想通貨市場に大きな波紋を広げています。特に、仮想通貨の代表格であるビットコイン(BTC)は、1年半ぶりの安値を記録しました。

セルシウスは2017年に設立され、仮想通貨を預ける投資家に高利回りを提供する金融サービスや、低金利の融資を行っています。年利20%近い商品と低い手数料が魅力で、現在までに利用者数は170万人に達し、少なくとも約4900億円(約15万BTC)もの資産を預かってきました。しかし、セルシウスも預かった資金を仮想通貨で運用していたため、最近の仮想通貨相場の下落により取り付け騒ぎが発生し、出金停止を余儀なくされたのです。

さらに、セルシウスが運用に使用している仮想通貨イーサリアムもシステムの大規模なアップデートを控えており、これが騒動に拍車をかけたと見られています。イーサリアムは2022年8月に消費電力を削減するためのマイニング(採掘)システムの更改を予定しており、これにより一時的に資金が動かせなくなる懸念が生じています。

米コインデスクによると、ビットコインの価格は2022年6月13日、日本時間午後7時の時点で一時、前日比14%安の2万3741ドル(約320万円)まで下落しました。また、時価総額2位のイーサリアムも一時19%安の1177ドル(約16万円)にまで下がり、仮想通貨市場全体に大きな衝撃を与えています。



テラUSD・ルナ暴落が示す仮想通貨市場のリスクと規制の必要性


仮想通貨市場の急激な変動により、その危険性がようやく広く認識されるようになりました。「テラUSD」や「ルナ」の大暴落が象徴するように、多くの国々で仮想通貨市場の規制が後手に回っていたことが浮き彫りになっています。ブロックチェーン技術が未来の基盤とされてきましたが、実際にはその理解が不十分で、不測の事態に対応しきれない問題が露呈しました。

仮想通貨は分散型としての特性を持つはずでしたが、実際には中央集権的な取引所を通じて売買されることが一般的でした。量的緩和によってもたらされた過剰な流動性が、仮想通貨の一時的な信頼性を支えていたに過ぎません。規制当局は、イノベーションを妨げることへの懸念から既存の法律を適用することを躊躇し、さらに有名人たちが広告ガイドラインを無視して仮想通貨への投資熱を煽ったことも、問題の解決を遠ざけました。

今、特に米国の規制当局はついに動き出し、悪質な仮想通貨業者に対して既存の規制を適用し始めています。しかし、仮想通貨市場が国境を越えて存在するため、規制の実施には多くの困難が伴います。例えば、テラの運営会社は、米証券取引委員会(SEC)に対して、自らの活動に管轄権がないと主張しました。

市場の匿名性も、取り締まりを一層困難にしています。証券監督者国際機構(IOSCO)は、仮想通貨に関する規則を改善するための共同機関を来年中に設立する計画を発表しましたが、その頃には既に多くの投資家が貯蓄を失っている可能性があります。こうした事態を防ぐためにも、規制当局がイノベーションを尊重しつつも、迅速かつ適切な対応を取ることが求められていたのです。ビットコインが初めて提案されてから13年以上が経過し、その間に市場は何度も浮き沈みを経験し、その度に多くの人々が損失を被ってきたのです。



日本がステーブルコイン規制を強化:投資家保護と金融システムの安全を確保


日本の参議院本会議で2022年6月3日、米ドルなどの法定通貨と連動する暗号資産「ステーブルコイン」を規制する改正資金決済法が可決、成立しました。この法律により、ステーブルコインの発行は銀行、資金移動業者、信託会社に限定されることとなり、流通には登録制が導入されます。これは、ステーブルコインが持つ金融システムリスクを軽減し、投資家保護を強化するための措置です。

改正法は、ステーブルコインの規制、マネーロンダリング(資金洗浄)対策、そして高額送金が可能な電子ギフト券などの監視を含む三つの柱で構成されています。これにより、金融のデジタル化が進む現代社会に対応した新しい資金決済制度が構築されます。

ステーブルコインの規制においては、発行者と仲介者の役割を明確に区分し、発行者は信用力のある企業に限定される見込みです。また、仲介者には登録制が導入され、犯罪の疑いがある取引を厳しく監視することが求められます。

世界的に、ステーブルコインへの規制強化が進んでおり、その背景には、こうしたコインが金融システムに悪影響を及ぼす可能性があるという懸念があります。米国や欧州連合(EU)でも同様の規制案が進行中であり、日本もこれに歩調を合わせる形となっています。

ただし、日本の規制は他国に比べて厳格であるとの声もあり、特に海外のステーブルコイン発行者にとって、日本での参入は困難となる可能性が指摘されています。日本国内で発行するには、発行主体となる組織の設立と、裏付け資産の国内保管が求められ、コストが高くなるためです。

ステーブルコインを巡る規制は、米フェイスブック(現メタ)が発表したリブラ構想を契機に始まりました。政府は、高額送金が可能なステーブルコインがマネーロンダリングに利用されるリスクに対応するため、今回の法改正に至りました。新法では、法定通貨と連動した「デジタルマネー類似型ステーブルコイン」が主な規制対象となり、テラUSDのようなアルゴリズムを用いる暗号資産型ステーブルコインも監視対象となります。



コインベース・グローバル、仮想通貨市場の不安定さに対応するため採用停止


ニューヨーク州で仮想通貨採掘に関する制限が強化される一方、大手暗号資産交換業者のコインベース・グローバルが新規採用を一時停止し、中途採用も取りやめることを発表しました。この決定により、内定者の一部も取り消されることになりました。コインベースの人事部門を統括するL・J・ブロック氏は、事業環境を考慮して、従業員数の増加を抑える必要があると説明しています。ただし、セキュリティーやコンプライアンス分野に必要な人材の採用は継続するとしています。

コインベースの2022年1~3月期の売上高は前年同期比で35%減少し、最終損益は4億2900万ドルの赤字となりました。ブロック氏はこの採用停止の決定を軽々しく行ったわけではなく、市況を踏まえた必要な判断であると述べています。また、仮想通貨市場の不安定さが経済の変動とともに新たな試練をもたらすと警戒感を示しました。

一方、同業のジェミニも従業員の約10%を削減することを発表しています。ジェミニの創業者ウィンクルボス兄弟は、マクロ経済や地政学的な混乱により「仮想通貨の冬」と呼ばれる静止期に入っていると説明しています。

さらに、米商品先物取引委員会(CFTC)はジェミニがビットコイン先物商品の認証に関して誤解を招く説明をしたとして、ニューヨーク州の連邦地裁に提訴しました。CFTCは罰金などの措置を求めており、この訴訟が認められればジェミニの収益にはさらなる逆風が吹くことになるでしょう。



ニューヨーク州、仮想通貨マイニング制限法案可決:温暖化対策の一環として


ニューヨーク州議会上院は、化石燃料を使用した暗号資産のマイニングに関する制限を盛り込んだ法案を可決しました。これは、温暖化ガスの排出削減を目指し、大量の電力を消費する仮想通貨の採掘を規制する初めての試みです。この法案が成立すると、特定の発電所による仮想通貨のマイニングに対する新規使用許可が、2年間停止されることになります。

ニューヨーク州では、安価なエネルギーを求めて多くのマイニング企業が集まっており、特に北部の古い化石燃料発電所が再稼働されています。しかし、地域住民や環境保護団体からは反発の声が上がっています。州が掲げる2050年までの温暖化ガス排出85%削減という目標に沿う形で、この法案が制定されたのです。

もしホークル知事がこの法案に署名すれば、仮想通貨のマイニングは再生可能エネルギーの使用や、よりエネルギー効率の高い技術を採用することが求められるでしょう。しかし、仮想通貨業界からの反発も強く、ブロックチェーン支援団体やブロックチェーン協会の代表者は、ニューヨーク州の将来のテクノロジーと金融の発展に対する逆行だと批判しています。

一方で、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は仮想通貨に対する関心が高く、就任後には自身の給与の一部をビットコインで受け取るなど、仮想通貨産業の振興に力を入れています。この法案の動きが、ニューヨーク州の仮想通貨関連の取り組みにどのような影響を与えるか、注目されています。



「改正資金決済法」成立:ステーブルコインと電子ギフト券のマネーロンダリング対策強化へ


改正資金決済法が2022年6月3日の参院本会議で可決され、正式に成立しました。この改正法は、デジタル金融の進展に対応するための体制整備を目指しています。主なポイントは、暗号資産(仮想通貨)である「ステーブルコイン」や、高額送金が可能な電子ギフト券に関するマネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化です。

新たに導入される登録制により、ステーブルコインの取引・管理を担う仲介業者に対しては、より厳格な監視と管理が求められます。これにより、疑わしい取引を早期に発見し、犯罪の予防を図ることができます。また、国内でステーブルコインを発行する企業は、銀行や資金移動業者、信託会社に限定されるため、利用者のリスクを低減する措置も講じられています。

さらに、メールで番号を送信して送金する電子ギフト券やプリペイドカードについても規制が強化されます。1回の送金額が10万円、1カ月の合計が30万円を超える場合には、発行者に対して本人確認手続きを義務付けることが決定しました。

また、金融機関が進めるマネーロンダリング対策の共同監視システムには許可制が導入され、新たに「為替取引分析業」という業種が設けられることとなります。これにより、より効果的な監視体制の構築が期待されています。



環境問題とデジタル資産:ケンブリッジ大学の研究が明らかにするビットコインの電力消費


ケンブリッジ大学のジャッジ・ビジネス・スクールに設置された「ケンブリッジ・オルタナティブ金融センター(CCAF)」は、デジタル金融の研究で注目されています。特に、ビットコインがどれほどの電力を消費しているかを定量化する「ケンブリッジ・ビットコイン電力消費指数(CBECI)」が、環境問題に関する基礎データの提供に大きく貢献しています。

ビットコインのマイニングは、複雑な数学的問題を解くことで新たなコインが生成される仕組みで、膨大な電力を必要とします。このため、マイニングに伴うエネルギー消費量の増加は深刻な問題とされています。CCAFの研究チームは、この電力消費量を正確に測定し、そのデータを無料で一般に公開しています。

この研究は、気候変動に対する意識の高まりを受けて始まりました。CCAFのミシェル・ラウクス氏は、「議論の基礎となる明確なデータが不足していた」と述べています。実際、ビットコインのエネルギー消費量は、オランダやスウェーデンの消費量と肩を並べるほどに増加しています。この研究結果は、テスラのイーロン・マスクCEOがビットコインの使用を見合わせる決定に影響を与えたことでも知られています。

また、CCAFはフィンテックの革新を追求し続けています。2015年の設立から、クラウドファンディングなどの初期テーマを経て、ステーブルコインや分散型金融(DeFi)、非代替性トークン(NFT)など、幅広い分野に研究を広げています。エグゼクティブディレクターのブライアン・チャン氏は、「フィンテックの進展を実証的データで明らかにし、知識のギャップを埋めることが使命だ」と語ります。現在、約50人の研究者が集まり、金融当局出身者の知見も活用しながら、デジタル金融の研究に貢献しています。ケンブリッジのこのセンターは、静かにしかし確実にデジタル研究の中心地としての存在感を高めています。



コインベース・グローバルがWeb3関連企業に多額の出資!次世代技術への戦略的アプローチ


米仮想通貨取引所の最大手、コインベース・グローバルが、次世代のインターネット「Web3」に対して大規模な投資を行っています。2021年4月の上場以降、同社は100社以上に出資しており、その中には海外事業の拡大を視野に入れた企業も多く含まれています。

コインベースは、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を活用し、インドの仮想通貨取引所コインDCXなどに資金を注ぎ込んでいます。また、Web3関連の投資では、仮想空間「メタバース」でアバター(分身)を創造する米国のジーニーズなどにも出資しています。このように、コインベースはデジタル資産に関する技術の幅広い領域での開発を推進しています。



仮想通貨投資の先行きと規制環境: DCGの長期的信念と政府の動き


デジタル・カレンシー・グループ(DCG)は、約10年にわたりデジタル資産とブロックチェーン分野への投資を続けてきました。価格の変動は予期されたことであり、ブロックチェーンとデジタル資産が未来の経済に貢献するという信念は揺るぎません。現在の価格下落が投資の減速に繋がるかどうかは不明ですが、歴史が証明するように、最も成功した投資や企業は弱気相場の中で生まれることが多いのです。

2022年3月に発表された大統領令は、米政府がデジタル資産分野で技術的リーダーシップを取る意向を示しました。この動きは、規制環境に対する悲観的な見方があった中で、明確な方向性を示したことに大きな意味があります。少なくとも、米国における仮想通貨関連企業が閉鎖されることはなく、国外に追放されることもないことが分かりました。

さらに、2022年11月には米議会の中間選挙が控えています。米国では仮想通貨を保有する人が多く、議員たちはその重要性に気づき始めています。選挙に勝つためには資金が必要であり、多くの仮想通貨で成功を収めた人々がその意見を強く主張しています。この結果、規制の方向性にも影響を及ぼすでしょう。



テラUSDの急落と新たな規制の動き:無担保型ステーブルコインへの監視強化


暗号資産(仮想通貨)の価値が急速に下落している現状に、専門家たちは注目しています。大規模な金融緩和によって市場に溢れたマネーが、仮想通貨の時価総額を押し上げていましたが、投資家のリスク回避姿勢が強まる中で、資金の流出が進みました。その影響で、法定通貨との連動を目指すステーブルコインの安定性についても疑問が浮上しています。

特に注目すべきは、米ドルなどの法定通貨と連動するように設計されたステーブルコイン「テラUSD」の急落です。この問題を受けて、米金融当局は裏付け資産を持たないアルゴリズム型(無担保型)ステーブルコインに対する監督を強化する方針を示しています。これは、今後の規制の焦点となるでしょう。

バイデン大統領は2022年3月、デジタル資産に関する大統領令に署名しました。この大統領令は、デジタル資産の技術革新を促進しつつ、不正行為の防止や摘発に注力することを目的としています。大統領令の具体的な影響を理解するには、各政府機関からの報告書とそれに基づく政府の対応を見守る必要があります。これまでは、米証券取引委員会(SEC)や米連邦預金保険公社(FDIC)が個別に対応していましたが、大統領直轄の作業部会によって調整が進められているようです。

バイデン政権が最も重視しているのは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の創設です。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、CBDCの設立には米議会からの明確な権限が必要だと考えています。大統領令がどのような結果をもたらすのか、今後の動向に注目していくことが求められるでしょう。



デジタル通貨の重要性と危機管理:ステーブルコイン規制強化の背景


金融当局は、デジタル通貨の重要性を強く認識しています。特に、物やサービスを購入する際に瞬時に決済が可能なデジタル通貨は、今後ますます重要になるでしょう。しかし、すべての暗号資産が大幅に値下がりしたわけではなく、ドルと連動するステーブルコインの中でも、ドル預金などを裏付け資産とするものは比較的安定していました。それでもなお、無秩序な市場拡大は金融システムにリスクをもたらす可能性があり、当局はこの点に懸念を抱いています。

米国では、2021年11月に大統領直下の組織がステーブルコインの発行体を預金を取り扱う金融機関に限定するべきだとする報告書を提出しました。これを受けて、イエレン財務長官は2022年内に法整備が必要であると強調しています。欧州でも、ステーブルコイン発行体に自己資本規制を義務付ける方針が進められ、日本でも発行体を銀行や信託会社に限定する法案が今国会で審議中です。また、日米欧の中央銀行はデジタル通貨の実証実験を進めています。「テラショック」と呼ばれる仮想通貨市場の急落は、仮想通貨の選別をさらに加速させるかもしれません。



ビットコイン暴落の真相:機関投資家とDAOが引き起こす連鎖反応


暗号資産市場が直面している厳しい現状が、今まさに世界的な注目を集めています。2022年5月27日時点で、世界全体の暗号資産の時価総額は1.2兆ドル(約155兆円)にまで減少し、2021年末から46%もの価値が失われました。主な原因は、米国の金利引き上げに伴う資金の流出です。これにより、一時的に膨れ上がった仮想通貨市場が急速に縮小しています。

仮想通貨市場全体が揺れる中、ステーブルコインの一つであるテラUSDも大きな打撃を受けました。テラUSDは米ドルと価値が連動するよう設計されていたにもかかわらず、2022年5月上旬に急落し、価値は90%以上も下がりました。このステーブルコインはかつて、約20%の利回りを保証することで多くの投資家から資金を集めましたが、大規模な資金流出により価格が急落し、その後は下落が止まらなくなりました。

ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨も、2021年末から大幅に下落しています。ビットコインは一時期「デジタルゴールド」として株式とは異なる動きをすると期待されていましたが、実際には株式市場と連動して下落しました。背景には、機関投資家が仮想通貨市場に参入したことで、仮想通貨がリスク資産としての位置づけを強めたことが影響しています。

さらに、分散型自律組織(DAO)も仮想通貨市場の動揺を加速させました。自動的に売買を繰り返すプログラムが一斉に「売り」を判断したことで、相場はさらに不安定化し、ヘッジファンドの売りも巻き込んで、価格の変動が一層大きくなりました。

米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード副議長は、これらの動きを受けて、仮想通貨市場には厳格な規制が必要であることを強調しました。現在、米欧の金融当局では、仮想通貨が金融システムに与えるリスクを警戒する声が高まっており、今後の規制強化が予想されます。



三井住友トラストがデジタル資産信託会社を設立!ビットバンクとの提携が鍵に


三井住友トラスト・ホールディングスは、年内にデジタル資産を専門に管理する信託会社を設立する予定です。この信託会社は、機関投資家や事業会社から暗号資産(仮想通貨)や非代替性トークン(NFT)などのデジタル資産を預かり、安全に管理する役割を担います。仮想通貨の分野では、大手交換事業者への不正アクセスによる資産流出が問題視されていますが、三井住友トラストは信託銀行としての豊富な資産管理ノウハウを活かし、安全性を強化します。

同社は、仮想通貨交換業者のビットバンクと提携し、「日本デジタルアセットトラスト」を共同で設立します。ビットバンクが85%の出資を行い、三井住友トラストが15%弱を出資する形です。さらに、他の企業が出資に参加する可能性もあります。

デジタル資産にアクセスするためには、秘密鍵と呼ばれる暗号化コードが必要ですが、この鍵を紛失したり盗まれたりすると資産が消失してしまいます。従来、仮想通貨交換業者はこの鍵を個人に代わって管理していましたが、安全性に課題がありました。新会社では、企業から預かった鍵をインターネットに接続していない場所で管理し、デジタル資産を信託財産として保護します。さらに、資産消失に備えて保険にも加入し、二重の安全対策を講じることで、安心してデジタル資産を管理できる環境を提供する予定です。



ビットコインのマイニング革命:再生可能エネルギーで脱炭素化を加速


暗号資産であるビットコインは、これまで地球環境への負荷が大きいとされ、特にその取引承認過程での大量の電力消費が批判の的となってきました。環境団体などは、ビットコインが二酸化炭素(CO2)排出の主因であると非難し続けていましたが、再生可能エネルギーの普及が進むにつれ、その状況が徐々に変わり始めています。

ビットコインなどの仮想通貨は、国家や中央銀行に依存せず、インターネット上の無数のコンピューターによって取引の正当性が確認され、価値が保たれます。この過程を「マイニング」と呼びますが、特にビットコインのマイニングには膨大な電力が必要であり、その消費量はオランダやノルウェー全体の電力使用量を上回るほどです。

とはいえ、マイニングの分野では「脱化石燃料化」が急速に進行しています。ビットコイン・マイニング・カウンシルによると、2022年初頭にはビットコインのマイニングに使用される再生可能エネルギーの割合が58.4%に達しており、その比率は年々上昇傾向にあります。この背景には、再エネ発電コストの大幅な低下が大きく影響しています。

日本では、事業用太陽光発電のコストは2020年時点で1キロワット時あたり約12円ですが、世界的にはこれを大きく下回り、さらにコストが低下すると予測されています。これにより、マイニング業者にとって再エネの利用が経済的に有利となりつつあるのです。

さらに、ビットコインのマイニング拠点にも変化が生じています。かつては中国が圧倒的なシェアを占めていましたが、2021年5月に中国が国内でのマイニングを禁止したことで、米国が世界シェアのトップに躍り出ました。特にテキサス州では、風力や太陽光など再生可能エネルギーの急速な普及が進んでおり、電力供給が需要を上回る状況が見られるほどです。この豊富な再エネ供給が新たなマイニング事業者を引き寄せ、米国のシェアはさらに拡大する見込みです。

米系ベンチャーキャピタル、フルグルの練木照子氏は、「マイニング事業者は利益を追求する中で、最もコスト効率の良い電力源を探し求めるため、再生可能エネルギーの利用が自然と増加している。これにより、マイニングがクリーンエネルギー社会への移行を加速させる存在となりつつある」と述べています。



IMFが警告するエルサルバドルのビットコイン法定通貨の行方と暗号資産の未来


中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨として導入した「実験」は、暗号資産の急落により、その影響が深刻化しています。特に、2032年償還の国債の利回りが20%台半ばにまで急騰し、年初の10%台半ばから大幅に上昇したことで、国の信用力が大きく揺らいでいます。

ビットコインの価格は過去最高値から半分以下の3万ドル程度にまで落ち込み、米国の金融引き締めやステーブルコイン「テラUSD」の崩壊など、暗号資産全体に混乱が広がっています。この通貨危機は、対外債務の返済を難しくし、もともと国内総生産(GDP)の80%以上という高い債務比率を抱えるエルサルバドルにさらなる圧力を加えています。

ムーディーズは、同国の信用格付けをデフォルト一歩手前にまで引き下げ、国際通貨基金(IMF)も法定通貨の見直しを求めています。この状況は、暗号資産を国家の通貨にするという壮大な実験がどのような結末を迎えるのか、国際的な関心を集めているのです。







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