ブラジル最高裁がX(旧ツイッター)を強制停止 マスク氏と国家の対立はどこへ?

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アメリカの実業家イーロン・マスク氏が率いるSNS「X(旧ツイッター)」をめぐり、ブラジル最高裁が同国内サービスの停止を命じたことで両者の対立が激化しています。30日に判事が「Xはブラジルの法を軽視し、無法地帯をつくろうとしている」と強く非難し、懲罰的な措置に踏み切ったのです。マスク氏は「表現の自由を守るため」と反発しているものの、接続遮断の動きが現地の通信会社の間で広がり、一部利用者からは「不安だけれど、偽情報や過激な投稿が多いのも事実」という声が聞かれています。

事の発端は、左派ルラ政権の下で偽情報拡散に厳しい姿勢を示すモラエス判事が、右派ボルソナロ前大統領やその支持者らの過激な書き込みを規制し始めたことに対して、マスク氏が「検閲だ」と反発したことでした。ブラジル当局はマスク氏が運営する衛星通信「スターリンク」の企業口座を凍結するなど強硬な手段をとり、複数の利用者が「農村やアマゾンの地域では非常に便利だったのに、影響が大きすぎる」と戸惑いを隠せないようです。一方でボルソナロ前大統領の支持者には、「マスク氏こそが言論の自由を守っている」と称賛する意見もあり、世論は二分されているようです。

さらにブラジルは2024年にG20の議長国を務め、格差是正などを掲げて世界中の超富裕層への課税を提案する構えだといいます。その矛先が世界有数の資産家であるマスク氏に向かう可能性もあり、政治と巨大テック企業の駆け引きが今後ますます激しくなるのではないでしょうか。アルゼンチンやベネズエラなど、中南米各国にもマスク氏と同調する政治指導者が存在するため、ブラジルの厳しい対応が周辺地域へどのように波及するか、注目が集まっています。世界各地のユーザーからは「SNSが国家によって止められるなんて、表現の自由はどうなるのか」と不安の声が上がる一方、「偽情報や過激化への対策としては必要な措置だと思う」という意見も聞こえ、今後の展開にますます関心が高まるでしょう。

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