政府は2019年6月3日、国民の皆さんの生活をより便利で安心なものにするため、マイナンバーカードの普及を強力に推進する総合的な対策を取りまとめました。この取り組みの目玉は、カードを活用して、個人の健康情報をインターネット上で一元管理できるようにする点です。過去の投薬履歴や生活習慣病の予防を目的とした特定健診のデータを、政府が運営する専用サイト「マイナポータル」を通じて、いつでも、どこでも確認できるようになります。
これにより、たとえば転職や退職をした際も、ご自身の健康に関する記録がスムーズに引き継がれ、切れ目のない健康管理が可能となるでしょう。特に、病歴や服用している薬の情報(投薬履歴)は、医療機関が変わるたびに改めて説明する手間が減り、より適切な医療を受けることにつながると期待されています。政府は、この画期的な対策を通じて、当時約1666万枚(2019年4月時点)だったカードの交付枚数を、数年後には現在のほぼ6倍にあたる1億枚以上に引き上げることを目標に掲げています。
この総合対策は、近く開催されるデジタル・ガバメント閣僚会議で提示され、2019年6月に策定される経済財政運営の基本方針(骨太の方針)にも盛り込まれる見込みです。マイナンバーカードが広く普及すれば、行政手続きが簡素化されるだけでなく、民間での利活用も広がり、日本のデジタル社会の基盤となることが見込まれています。特定健診のデータ閲覧は2020年度を、投薬履歴の閲覧は2021年度を目途に開始される予定です。このサービスは、カードを健康保険証として利用していなくても、本人確認ができれば利用できる仕組みです。
また、この発表はSNS上でも大きな反響を呼んでいます。「健康情報がスマホで見られるようになるのは便利だ」「これで病院での受付がスムーズになりそう」「データ連携で、もしもの時も安心できる」といった、利便性向上に対するポジティブな意見が多く見受けられました。一方で、「情報漏洩のリスクはないのか」「高齢者には利用が難しいのでは」といった、セキュリティや操作性に関する懸念の声も上がっており、政府にはこれらの不安を払拭する丁寧な説明と対策が求められるでしょう。
カード取得がより手軽に!「出張ブース」などで申請促進
政府は、カードの交付数を増やすために、申請手続きの利便性向上にも力を入れます。現在、原則としてお住まいの自治体の窓口で届け出る必要がある申請手続きについて、自治体の職員が企業などに出向き、一度に多くの従業員の申請を受け付ける「出張申請」を推進する方針です。会社で申請を行い、カードが自宅に郵送される形になれば、仕事で忙しい方も窓口に出向くことなく、格段に申請しやすくなると期待されています。
さらに、企業だけでなく、運転免許センターやハローワーク、税務署など、多くの人が訪れる公共施設にも、その場でカード申請ができる「出張ブース」を設置する計画です。申請手続きにかかる事務費用が増加する自治体に対しては、国が財政的な支援を行うことで、この取り組みを後押しします。これらの施策により、申請の心理的・物理的なハードルが下がり、カードの交付数が飛躍的に伸びることが予想されます。
保険証、確定申告、そしてポイント還元!広がるカードのメリット
マイナンバーカードのメリットは、健康情報の閲覧だけにとどまりません。2021年からは、カードを健康保険証として利用できるようになり、医療機関での受付がよりスムーズになる見通しです。加えて、同年分の確定申告からは、カードを使って医療費控除の手続きをオンラインで行うことが可能になり、年末の煩雑な作業が大幅に簡略化されるでしょう。
そして、カードの普及を後押しする大きなインセンティブとして、2020年夏からはマイナンバーカードを使った買い物に対して、国がポイント還元を実施します。このポイントは、自治体が指定する小売店や通販サイトで利用できる予定です。医療や税金の手続きが簡便になり、さらに買い物までお得になるこの施策は、国民の皆さんがマイナンバーカードを取得する動機を強力に押し上げるでしょう。デジタル社会の実現に向けて、このカードが私たちの生活に不可欠なインフラとなる日は、そう遠くないと言えるでしょう。